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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十一話:新たな思い出
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で、一人になるなよ。絶対」
「……うん」
こんな格好で一人で歩いて、トラブルが起こらないわけが無いし。
そもそもこんな格好する必要も特に無いので、そこは仕方ない。
「そうでなくても、出来れば離れたくは無いんだが」
「……」
それは、約束できない。
都合とか予定とか、色々あるし。
「……出来るだけ、離れないでくれ。離れてお前に何かあった時に、抑える自信が無い」
「……わかった」
前例がありますからね!
抑えの利かなかった、前例が!
一緒にいても差し支えない範囲であれば、やはり行動は共にするべきなんでしょうね!
少なからず不本意ではあるが!!
……と、それはともかく。
「ヘンリー、さっきのリボンの代金だけど。後で払うね」
パーティの財布とは別に、個人のお小遣い的なものがあるので。
食べ歩きでピエールに払ってもらった分も後で清算するし、リボン代はとりあえずヘンリーに払ってもらったけど、こっちもそのままというわけにはいかないだろう。
「いいよ、そんなの。あれは俺が買ったんだから」
「え、でも」
あれは、私がモモに買ってあげようと思ってたんですけど。
「いいから。俺が払ったんだから、あれは俺が買った。苦情は受け付けない」
「……」
……私とモモの思い出の品になるはずが、ヘンリーも含めた思い出の品になってしまうのか。
それは、どうなんだ……。
微妙な気分で悩む私に、いつのまにか追い付いていたモモが声をかけてきます。
『やっぱりドーラちゃんも似合ってるね!すっごく、可愛い!ありがとう、ヘンリーさん!リボン、大事にするね!』
「…………ヘンリー。モモが、ありがとうって。大事にするって。私も、ありがとう……」
「ああ」
モモが認めたことで、既成事実と化してしまった。
そこまで高いものでも無いし、固辞するほどでも無いというのが、なんとも……。
…………まあ、いいか。
お金を出したのが誰でも、そこにヘンリーもいた事実には変わり無いんだし。
うん、大した問題じゃないって。
……たぶん。
と、また自分に言い聞かせながら、町外れに停めた馬車を目指して、ヘンリーに引っ張られていく私なのでした。
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