聖なる光に祈りを
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エルザの表情は、辛そうであり、申し訳なさそうであり、どこか―――嬉しそうでもあった。
「俺は・・・救われたよ」
地鳴りが響く。
玉座の間で、亡霊にとり憑かれた男と緋色の妖精女王は、お互いを抱きしめた。
「聖なる光に祈りを!!!!エーテリオン解放!!!!」
衛星魔法陣が完全に展開する。
ウォーリー、ミリアーナ、ショウは驚愕に顔を染め目を見開き。
ハッピーは目に涙を浮かべて届かない頭を抱え。
グレイ、ルーシィ、ジュビアは目を覚まさず。
ルーは膨大な魔力にゆっくりと目を開き。
アルカは呆然と、全ての感情が抜け落ちてしまったかのように、ただ驚愕した。
「この光・・・間に合わなかったか・・・」
ナツとティアと別れたシモンは、怪我を負った左胸を押さえ、呆然と呟いた。
「エルザ!」
「眩しい・・・!」
塔の階段を駆け上がるナツは焦りながら叫び、ティアはその光に目を眩ませる。
抱き合う2人。
お互いの表情は見えない。
――――――だから、エルザは気がつかなかった。
ジェラールが、アルカやクロノとは全く違う、歪みきった笑顔を浮かべていた事に――――。
そして。
その瞬間。
光が。
眩い光が。
聖なる光が。
超絶時空破壊魔法が。
衛星魔法陣から。
エーテリオンが。
聖なる光の、全てを『無』に還す裁きの魔法が。
楽園と名付けられた、偽りの楽園へと。
緋色の妖精女王と。
妖精女王を信じ続けた男と。
紅蓮の炎を操る桜色のドラゴンと。
凍てつくように煌めく深海色の閃光と。
亡霊にとり憑かれた楽園の支配者を。
偽りの楽園へと残して。
―――――――――落ちた。
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