話数その19 歩まない
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「嘘だろ…朱乃さんが負けたのかよ!?」
「……んな事如何でもいいから、早く放せ」
ダルそうな顔で言い放った晋の意見は、悲しくもスルーされてしまう。絶望的な顔をしている二人にさらなる凶事が襲いかかった。
彼等の居た地点が突如として爆発し、クレーターを作ったのだ。爆発を起こしたのは、何時の間にか上空に居た魔女姿の女であり、不敵な表情のまま兵藤達を見下ろしている。
爆発により晋、兵藤、木場は別々の方向に吹き飛ばされ、怪我を負っていた。尤も、怪我を負ったのは兵藤達だけであり、晋は何時の間にか別の服に着替えてスタコラサッサと遁走を始めていた。
「あ! コラ、逃げんな灰原ぁ!!」
「……俺にゃ関係無い話だろうが……! 第一、そこの年増は空飛んでんだぞ、俺じゃ役に立たねぇ…」
「と、年増ですって!!?」
「……あ? …如何見たって年齢以上に歳食ってる見た目だし、格好からして無理してる感が漂う―――」
もはや逃げたいのか挑発してるのか分からない晋を爆発が襲い、晋はあえなくそれに呑み込まれるが、すぐに再生し何事もなかったかのように復活した。
「お前はここで殺してやるわ! 人間!」
「……ご勝手に…」
晋が引きつけている(?)間に兵藤達はライザーの元へと急ぐ。
殺す気満々の魔女姿の女に対し、晋はもう既にやる気を無くしており、もう何処でもいいやと言わんばかりにグラウンドに寝っ転がった。
「はっ! 今更諦めてももう遅い!!」
(……あの番組、ちゃんと予約しといたよな……?)
この状況と全く関係ない趣味的な事を考えながら、晋は魔女姿の女を見やり、思う。
(……如何でもいいが、怯えたとか諦めたって……自分の中で答え出してそれが正解だと思い込むのが、化け物とか悪魔の間じゃはやってるのか…?)
面倒くさそうに欠伸をした晋を、爆発の連鎖が襲った。
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「はぁ……はぁ……ぐうっ―――はぁっ」
攻撃を当て続けているだけの筈なのに満身創痍な魔女姿の女性。じゃあ、攻撃を受けている晋はどうかいうと、爆撃開始からポーズをほとんど変えず、グラウンドに寝っ転がっているままだった。
「…はぁ…何故、死なないのよ……!?」
「……知らん」
「ふざ―――」
「けてねぇ、本気だ……」
「…っく、あぁ…」
「……もうちょっと、捻ったこと言えねぇのか……? その質問にはもう飽きてんだよ……」
よく見ると、女性の身体には所々傷があるのが分かる。どうやら晋も寝ていただけではないらしく、時々反撃はしたようだ。……おそらく、暇つぶしのような感覚でやったのだろうが……
『
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