暁 〜小説投稿サイト〜
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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十一話
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「師匠のレア画像ゲット〜」
「か、カズ!!貴様!シバくぞ!!」

 ぎゃーぎゃー騒ぐ二人。我関せずの良太郎。セモンの横に、再び気配を消したかのようにゆらりとハクナが現れた。

 彼女の特殊能力、とでもいうべきものは、一切の気配を消す、という物だった。影が薄いどころの騒ぎではない。まれに、「ここにいる」と言われてもその姿を見ることができなくなることが有ったほどなのだ。ロジックは不明である。超能力なのか、それとも単に気配が薄いだけなのか。

 どちらにせよ、今は意図的に気配を発して存在を強調することができるようになっている。

「……ハクナ」
「はい?」
「……お前は悪女か?」
「いいえ?違いますよ」

 いたずらっぽく笑うハクナ。こんな子だっただろうか……時の流れは、これほどまでに人を変えるのか。

「いや……」

 実際、そうなのだろう。あの浮遊城で過ごした二年の間に、清文は変わった。琥珀も変わった。秋也も、陰斗も変わったはずだ。時の流れは、人を変える。運命は、与えたものをすぐに返すように求める――――

「だから、今を生きるべきなんだ」
「え?」

 清文は、その声に後ろを振り返った。しかし、誰もいない。

「ハクナ?何か言ったか?」
「ほえ!?い、いってませんよ?」

 狼狽して真っ赤になるハクナ。急に話を振られると緊張して舌足らずになる癖は変わっていない。学校には行かずに、《ボルボロ》のメンバーたちが彼女に教育を施していたはずだが、もし世間に出たら相当モテるのではないか……。

 しかし、ハクナではないなら今の声は誰のものなのだろうか。どこかで聞いたことのある声。もちろん自分のものではない。秋也や陰斗の声でもない。いや、待て。この声を聞いたのは随分昔――――そう、五年近く前の事のはずだ……。

「ダメだ。思い出せない」

 清文は頭を振ると、その先を思い出すことをあきらめた。ふと顔を上げると、カズヤと黒覇の争いには決着がついており、黒覇に踏みつけられたカズヤが泣き顔で画像ファイルを消しているところだった。

「……で、結局お前は何がしたかったんだ」
「あ、そうだったそうだった。……あのさ、ハクナ、今日のダイブってなんかミッションあるのか?」

 ハクナ/ハクガは、ミッションの説明などを受け取り、皆に伝えるメッセンジャーとしての役割も兼ねている。しかし彼女は、首を横に振った。

「フリーです。自由時間です」
「よっし!」

 カズヤがガッツポーズをとる。呆れた顔で良太郎が

「まさかお前、何かとんでもないことをたくらんでるんじゃないだろうな」
「どうかな。一人一人の驚き具合にもよるけど――――」

 にやり、と笑ったカズヤは、彼の考えを皆に告げた。

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