スーパーロボット大戦OG外伝
0473話
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…私はプロジェクトTDの件で忙しいのだから、なるべく早く用事を済ませて貰いたい」
その視線はミツコに向けられており、ソファに座っている俺には気が付いてすらいない。それだけスレイにとってはプロジェクトTDは大事な物なんだろう。まぁ、ブラコン気味のスレイとしては兄の進める計画が何にも勝るのはそうおかしな話でもないが。
そんなスレイの言葉を聞きながら、一緒に入って来た中年の男へとチラリと視線を向けるミツコ。それに気が付いた男は、軽く一礼して社長室を出て行く。
「さて、呼び出しておいてなんですが……実は貴方に用事があるのは私じゃなくて彼だったりしますの」
執務机に据えられた椅子の背もたれに体重を掛けながらこちらへと視線を向けてくるミツコ。その視線に釣られるようにして俺の方へと視線を向け……スレイの表情が驚きに染まる。
「アクセル・アルマー大尉!?」
「久しぶり……と言った方がいいのか?」
シロガネの奪取をする為の作戦で一度だけスレイは俺の指揮下で作戦を共にした事がある。あの作戦から俺の主観時間では既に2年以上が経っているが、この世界にいたスレイにしてみればそう昔の話でもないだろう。
そう言えば、OG外伝の最初にスレイはシロガネを探索するシーンがあった筈だが……もしかしてシロガネはイスルギ重工で確保しているのか? なるほど、確かにイスルギ重工としてはスペースノア級の情報は喉から手が出る程欲しいだろうな。その解析が終わったらこっちに回して貰えるように頼んでみるのもありかもしれない。
……まぁ、それもこれもイスルギ重工がシロガネを確保できていればの話だがな。
「シャドウミラーはアインストとの戦いで行方不明になったと聞いていたが……」
「ご覧の通り俺は無事だよ。と言うか、戦力的に考えれば以前よりもかなり大きくなっている」
信じられない、といった視線を俺へと向けてくるスレイ。まぁ、無理もないが。
「……それで、そのシャドウミラーのアクセル大尉が私に何の用事があって呼び出したのだ?」
さて、俺の次の台詞でスレイはどう反応するやら。上手く事を運べるように話を持っていけるか、だな。
「スレイ・プレスティ。リオンを開発し、プロジェクトTDを立ち上げたフィリオ・プレスティの妹」
「……」
「その妹であるお前に聞きたい。フィリオ・プレスティが不治の病に侵され、余命幾ばくも無いと知っているか?」
俺を怪し気な様子で眺めているスレイへとそう声を掛ける。
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