話数その18 綺麗じゃない
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「くっ……!?」
また爆弾か―――そう思い避けるレイヴェルだったが、その判断は大きな間違いだった……それは避けてやり過ごす代物ではなかったのだ。
爆弾を避けたと安心したレイヴェルに、目が焼けるほどの強烈な閃光と耳が爆発しそうなほどの轟音が襲いかかった。
晋が先ほど投げた代物、それは晋特性の強化型“閃光弾”と“音爆弾”だったのだ。勿論、人間がこんな物を喰らえばショックで心臓が停止する者や失明する者も居るかもしれないし、そうでなくとも長い足止めを喰らってしまう。
先程の晋の自傷行為は、これを完璧に無効化する為のものだったのだ。現に晋からは、目がくらんだ様子や耳を痛めた様子は微塵も感じない。
「あああぁぁぁっ!!?」
しかし、レイヴェルは耐え切れずにとうとう落ちてくる。いくら症状は軽いといっても、それは“人間より”は軽いだけであり、とても堪え切れる衝撃ではなかったようだ。
逃げようと這うレイヴェルの腕や足が突如撃ち抜かれて焔となり、動かなくなる。
フェニックスの焔による再生は、再生している間は無効化する代わりに自身も動けず、おまけに精神的に追い詰められたり強大な一撃をぶつけられれば再生できなくなると言った弱点があった。
「……さっき思いついた……もう逃がさねぇよ」
目は焼けるように痛く、耳が殆ど利かず、頭は割れるように痛い。
おまけに腕や足が動かず逃げられないときて、レイヴェルはもう子どもの様に泣き叫ぶ事しか出来なかった。
「……よし、そんじゃ――――」
すると、晋は発砲を止めてそこから遠ざかっていく。やっとおわった……そう思ったレイヴェルはやっと利く様になった目を開け……絶句した。
彼女が居た地点が、見た事の有る爆弾で埋め尽くされていたからだ。……そして―――
「……Killyou」
晋の合図と共に、レイヴェルは大爆発に呑み込まれた。
『ライザー様の“僧侶”1名、戦闘不能』
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