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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第207話】
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 場所は既に知っているため、俺が先導する形で公園を進んでいくと、流石に女子高生が局所的にいる箇所に気づいたシャルが声をあげた。


「ヒルト、あそこがそうなの?」

「あぁ、俺にとっては究極の異空間だが……目的地のクレープ屋だ」

「ほぅ……。 ……しかし、女子高生ばかりだな」

「まあな、疲れた時は甘いものが相場って事で、この辺りは結構そういったのが多いんだよ。 チョコバナナ屋や他にもパン屋があったりするんだよ。 まあ今日は来てないようだがな、これが」


 そんな説明をしてると、待ちきれないのかシャルが――。


「じゃ、じゃあ、早速頼んでみようよ」

「……そうだな、またあのおっさんのドヤ顔見ないといけないのがダルいが」


 そんな呟きは、女子高生のかしましい声にかき消される。

 シャルに至っては待ちきれない様で、ラウラの手を引いて移動型店舗のバン車へと向かった。

 ……因みに、男は俺だけなので妙に突き刺さる視線が痛い。


「すみませーん、クレープ二つください。 ミックスベリーで♪」


 そんな眩しい笑顔で注文するシャルに、店主が人懐っこい顔のまま頭を下げた。


「あぁー、ごめんなさい。 今日、ミックスベリーは終わっちゃったんですよ」

「え? ……そ、そうなんですか。 残念……。 ラウラ、別のにする? ヒルトは?」

「ん? どうせ俺は二種類頼むつもりだからな。 ラウラ」

「……うむ。 ではイチゴとブドウのクレープをくれ」


 そう言い、指を二本立ててからラウラはシャルと自分の分の料金も払ってしまった。

 ……まあ払った以上は後から俺が出すわけにもいかないよな。

 そんな考えを他所に、シャルが口を開き――。


「ラウラ、いいよ。 ここは僕が出すって。 ヒルトの分も、二人には付き合ってもらってるんだから」

「ん? 俺なら気にするな、てか逆に俺が出さなきゃダメだろ」

「……む。 そういえば嫁の分を出すのも忘れていた――」


 そう言って自身の財布から再度お金を取り出そうとするラウラを、慌てて制止する。


「い、いいって。 今日はシャルの分だけ奢りなよ。 俺は自分の分払うし」

「む……だがそれだと夫としての立場が――」

「はい、おまちどおさま」


 遮るように店主が割って入ると、出来立てのクレープがラウラの前に差し出され、仕方無しに受け取る。


「む。 ……次は私が出すからな。 シャルロット、どっちがいい?」

「んと。 ……じゃあ、イチゴかな?」

「了解した。 ……ヒルト、私達は先に向こうのベンチで食べてるぞ」


 そう指差し、ベンチへと向かうラウラとシャルを見送
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