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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第207話】
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ると――。


「じゃあ、俺もさっきの子と同じものを一つずつで」

「わかりましたー」


 そんな返事と共に、クレープを作り始める店主――。


「お客さん、さっきの子達、どっちが本命なんですか?」

「ん? ……さぁ、どっちでしょうかね? ――何て、二人ともいい子ですからね。 自分には勿体無いぐらいに……」

「そうですか。 ……ここのクレープ食べて、どっちかと――何て。 はい、おまちどおさま」

「ありがとう。 ……ミックスベリー、ここで食べるのこれで四回目ですけどね」


 そんな小さな呟きは、店主の耳には届かずに消えていく。

 受け取ったクレープ二つを手に持ち、俺は二人の元へと向かった。


「おっす、待たせた――…………」


 今俺が目にした光景は幻覚だろうか?

 俺の目にはラウラがシャルの唇をそっと舐めた気がしたのだが――と。


「なっ、なぁっ、ななななっ!?」


 突然のシャルの声とその表情が真っ赤に染まるのを見て、やはり幻覚ではなかったと――。


「ぅおいっ!? ラウラ! 何してるんだよッ!?」

「む? ……嫁に見られたか。 シャルロットの唇にソースがついていたのでな」


 そう言うラウラは、どこかおかしいかという表情で俺を見てきた――と、狼狽しているシャルが。

「だ、だだっ、だだだからってヒルトの前で、え、えぇぇ!?」


 俺にその現場を見られたせいか、通常の五倍ぐらいの慌てようにシャルの脳内キャパが越えそうになっていた。


「両手が塞がっていたからな」


 さも当たり前の様に告げるラウラは、右手のクレープと左手の紙袋を持ち上げて俺達に見せた。

 まあ確かに塞がってはいるが――俺も両手クレープだけど。

 とりあえず両方のクレープを一口租借してると――。


「ら、ラウラ、そ、それなら次からは言って――」

「む? だがすぐに垂れ落ちそうだったのでな――おっと」


 そんな風にシャルに言ってると、自分の手の甲に垂れたソースをそっと舐める。

 その仕草は、どこか淫靡な感じがするのだが、多分本人にはその気はないのだろう。

 だが、そんな仕草も今のシャルには過剰反応してしまうようだ。


「まあシャルも落ち着け、ラウラも、次から気をつけないと百合に目覚めたのかと思っちゃうぞ? 主に俺が――。 ほら、二人ともまずは俺のクレープを食べな」


 そう言って一口かじったクレープを差し出す暴挙に出る俺。

 親しくもない間柄でこれをすると、一発でセクハラになるだろう。

 そんな差し出されたクレープを、びっくりした表情でシャルは見つめた。


「い、いいの
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