第二十七話
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の腕を治癒術で治療させたいがサンドファングのせいでまともに詠唱を唱えることすらままならない。
だが、このまま戦っても腕を負傷した今じゃ大剣を振り回すことすらできない。
(せめてディアを元に戻すことができたなら・・・)
一瞬、石化したディアに視線を移しすぐにサンドファングたちに向き直る。
今のままじゃリカバーも唱えることはできない。
パナシーアボトルもディアが持っていたため一緒に石化してしまっているのでどうすることもできない。
何とか打開策を見つけようと思考を巡らせるが、考える時間も与えないとばかりに二体のサンドファングはカノンノに接近してくる。
(これ以上傷を負ったら本当に何もできなくなる。距離をとりながら考えるかしかないみたい)
走りながらカノンノはサンドファングたちと距離をとるのと打開策を見つけるため思考を巡らせながら二つの行動を一気に行っていた。
足を止めればそのまま串刺しにされる。けど考えなかったら体力が尽きてしまう。
そんな考えは頭の隅っこに押しやり、いくつもの考えを出す。
―――ファイアボールだけなら無詠唱で唱えられる、時間をかけて戦う?
(駄目。ここは砂漠だから暑さに強いサンドファングに効果は薄いし私の精神力も持たない)
―――イリアとクレスが来るまで逃げたりして時間を稼ぐ?
(これも駄目。二人がいつ来るかわからない以上、体力は温存しとかないと)
―――どこかに隠れてまず傷を癒す?
(これもできない。相手がディアに何かしたら・・・)
―――このまま一度逃げる?
(論外。ディアを置いていくなんて絶対できない。それに約束もしたもん私がディアを護るって)
ディアとのブラウニー坑道での会話を思い出し、ぶんぶんと首を振る。
(あの時、大好きなディアが私を護るから自分を護ってって言ったときすごく嬉しかった。ディアは私を大切に思ってくれてる。私はディアに必要とされてるって)
もしディアが同じ立場ならカノンノと同じことを思うだろう。
そしてカノンノを絶対に見捨てないし、約束も破らないとそう信じている。
(だから・・・考えないと!)
そこで一つの考えがカノンノの頭の中に浮かんだ。
「これなら、大丈夫。ディア、すぐに元に戻すから待ってて」
そう呟くとカノンノは足を止め、一瞬だけ赤い魔方陣を出現させると三つの炎の球を放つ魔術、ファイアボールを放つ。
だが、何を思ったのかカノンノはサンドファングにではなくサンドファングの足元の砂にファイアボールを命中させる。
そしてもう一度ファイアボールを放ち砂にぶつけるとファイアボールの爆風でサンドファングの辺りに砂煙を発生させる。これがカノンノの狙いだったのだ。
その煙のお陰でカノンノは完全に相手の
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