第三幕 日本に来てその一
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第三幕 日本に来て
日本に移住してそこで大学の教授として働くことを決めたドリトル先生、しかし日本に行くまでにすることは一杯ありました。
日本に持っていくものをまとめています、それはどうかといいますと。
「ううん、こうしてみるとうちも多いね」
「そうですね」
お引越しの手伝いに来たトミーもまとめられた家具や本を見て言います。
「特に本が多いですね」
「家具と本はね」
そういったものはとです、先生はその太った身体を必死に動かして汗をかきながら一緒に働いているトミーに言うのです。
「絶対に持って行かないとね」
「駄目ですよね」
「旅行とかなら置いて行っていいけれど」
お家に戻るからです。
「けれど移住するとなるとね」
「こうしたものも全部ですね」
「持って行かないとね」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「テレビとかはどうしますか?」
「確かイギリスのテレビを日本に持って行っても使えない筈だからね」
だからだというのです。
「それは持って行かないよ」
「そうですか」
「他の電化製品もね」
テレビ以外のそうしたものもだというのです。
「そういったのは日本で買うよ」
「わかりました、それじゃあ」
「そういったものは全部誰かにあげるよ」
テレビやそうしたものを全てだというのです。
「トミーもどうかな」
「いいんですか?」
「持っていけないものを置いておいても仕方ないよ」
だからだというのです。
「好きなものを持って行ってくれていいから」
「買わなくてもですか」
「お金もいいよ」
先生は欲がありません、だからお金もいいというのです。
「何でも好きなものをね」
「じゃあ後でお父さんとお母さんを連れてきます」
「僕の友達も呼ぼうか、サラも」
電化製品をあげる人をというのです。
「そうしよう、そうそうティーセットは絶対に持って行かないとね」
「あちらでも紅茶は飲まれるんですね」
「それは欠かせないよ」
イギリス人だからです、お茶の時間は欠かせません。
「だからね」
「そうですか、日本でもですか」
「紅茶は日本の方が美味しいというね」
このことは王子に教えてもらったことです、日本の紅茶の方がイギリスの紅茶より美味しいということはです。
「楽しみにしておこうか」
「じゃあティーセットもですね」
「そうするよ、じゃあ」
ティーセットを丁寧に紙に包んで箱に入れます、箱の隙間に色々と詰めものをして運んでいる最中に割れない様にします。
それからです、先生はといいますと。
「あとは何が必要かな」
「ダブダブが色々選んでくれてますよ」
「移住するんですから電化製品以外全部持って行きますよ」
そのダブダブが先生に顔を
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