運命
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事情を知らねぇアイツ等は戸惑っていたが、ルーシィ達を塔の外へ連れ出してもらった」
そこまで言って一旦区切り、さらに続ける。
「そしてすぐにショウの通信で、三羽鴉が全滅した事を知った」
「俺何もしてねぇ!」
ナツは思わず叫ぶ。
そこでシモンは口を閉じ、代わりにティアが口を開いた。
「三羽鴉じゃないけど、私が1人倒したから、もうジェラールの用意した4人の戦士は残っていないわ」
ティアはそう言い、戦ったジェメリィを思い出す。
そして、ぎゅっと唇を噛みしめた。
「残る敵はジェラール1人。そこはエルザが向かっている。アイツは全ての決着を1人でつけようとしてるんだ」
シモンの言葉をナツとティアは真剣な表情で聞く。
「あの2人には8年にわたる因縁がある。戦わねばならない運命なのかもしれない。だが・・・ジェラールは強大過ぎる・・・」
そこまで言い、下がっていた目線を2人に向ける。
「頼む、エルザを助けてくれ」
ナツとティアにそう頼み込むシモン。
それを聞いた2人は顔を見合わせ―――――――
「やなこった」
「お断りよ」
「!?」
シモンの頼みを断った。
カコォーン。
騎士の駒が、着物を着た駒を倒す。
チェス盤にジェラールの4人の戦士の駒は1つも立っていない。
立っているのは、エルザ側の駒だけだ。
「やれやれ、ゲームはもう終わりか」
カラン、コロコロ、と。
チェス盤の上の駒を動かし、残念そうに呟くジェラール。
「人の命で遊ぶのがそんなに楽しいか?」
そこに、ジェラールのものではない声が響いた。
その声の主が誰か、ジェラールは解っているようで、顔も向けずに言葉を紡ぐ。
「楽しいねぇ。生と死こそが全ての感情が集約される万物の根源。逆に言えば、命ほどつまらなく虚しいものはない」
そう言うとジェラールはゆっくり、声の主に目を向けた。
「久しぶりだな、エルザ」
声の主・・・エルザは、強い意志と覚悟だけの表情で、ジェラールを睨みつける。
「ジェラール」
8年ぶりの再会・・・その再会は、誰もが喜ばないものだった。
「感動の」という言葉が何よりも似合わず、8年ぶりだというのに戦わなければならない・・・辛く悲しい再会。
「その気になればいつでも逃げ出せたハズだが?」
お互いがお互いを見つめ、睨み、静かに声を響かせる。
「私はかつての仲間達を解放する」
「構わんよ。もう必要ない。楽園の塔は完成した」
お互いに違う決意があり、意志があり、動く。
「あと10分足らずで破壊されるとしてもか?」
「エーテリオンの事か?クク
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