銃口と軽薄な動きたがり
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」
「はいはい、ありますよ」
仙翁は肩掛けからトランプを取り出した。
「てめぇら、何してんだ?」
武装Bは小学生のような質問をした。
「…トランプだ」
「だからなんでここでトランプ始めてんだっつってんだろ!」
武装Bは叫んだ。
「怒らないでくれ。これでも発言量は圧縮したつもりなのだが」
峰年は眉をひそめた。
「お遊びじゃねぇんだぞこのクソガキ!」
武装Bは真上に向けて発砲した。
キィィンと音を立てて武装Bに照明の破片が降り注ぐ。
「くっ!」
武装Bは装備のおかげで怪我していないようだがそれでも怒りの表情だ。
「くそがっ!」
「落ち着け」
武装Aは言葉を体で表すように言った。
「くそっ、けどよ、」
「我を失っているやつは邪魔だ」
「ぐっ…」
武装Bは黙った。
「…それで、トランプは許可されたのか?」
「峰年君!」
仙翁は叫んだ。
「そんなこと言っても、言うなら今だぞ?」
「好きにしろ。但し、不審な真似はするな」
「有り難い。…仙翁、トランプを出してくれ」
「はぁ…分かったよ」
仙翁はトランプを再び取り出した。
「さて…」
峰年はモアイ子達を見た。
「あなた達は混ざるか?」
「いい加減にしなさい!」
女は叫んだ。
「あなた犯人を刺激してそんなに楽しいの!?」
「楽しくないと言ったら嘘になる」
「なんですって!?」
女がヒステリックに叫んだ。
「落ち着いてくれ。楽しいのとやるのは別だ」
「そんな屁理屈を」
「勘違いしないで欲しいのだが、別に私は反抗に自分の価値を見出だしているわけでも、オンリーワンであることそのものに頼りきっているわけでもないのだよ」
峰年はふぅと息を吐いた。
「…そこのあなたは、混ざるか?」
峰年は顔面蒼白の男に顔を向けた。
「あああ、いいえ、いいですからいいですから!」
男は早口でまくしたてた。
「ふぅむ、で、君は?」
峰年はモアイ子に目を向けた。
「じゃあ、混ざらせて頂くわ」
モアイ子は峰年達に近寄った。モアイ子も暇をもて余していたのだ。
「さて、君の名前は?」
峰年はモアイ子に尋ねた。
「紫出雲 藍子。……宜しく」
いつもならを『私のことモアイと呼ばないで。せめてモアイ子と呼びなさい』と後ろにつけるのだが、そんなことを言うと妙なあだ名を付けられそうだったので抑えた。
「私は盗浦 峰年だ」
「節黒 仙翁です。宜しくお願いします」
「凌霄 葉蓮です」
「紫出雲 藍子か。私は同姓同名の有名人を知っているのだが」
峰年は嬉しそうにニヤニヤしている。
「人違いね」
モアイ子は素っ気なく返した。
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