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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第206話】
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出しただけでもましだろう。

 即日の仕事で金が出ずに関連グッズを渡すブラックな会社もあるとか……。

 ……と、ラウラが突如――。


「む、金か? ……それならば口座に二千万ユーロ程あるはずだが――」

「……ラウラ、それは有りすぎだろ。 ……桁が凄まじくて実感がわかない金額だな」

「そ、そうだね。 ……僕もそれなりに貰ってるんだけどなぁ……」


 そんな呟きが風と共に吹き抜けていく――夏の暑さは変わらないが、風だけは心地よかった。


「……私は生まれた時から軍属でな。 ……ジュネーブ協定には違反してはいるが……。 そ、それはそれとして、ISの国家代表候補生になってからは、その分も上乗せされている」

「成る程……」


 そう短く言葉を告げると、ラウラは空に流れる雲を眺めながら――。


「しかし、引き出しかたを知らないのだ。 ……水着を買った時は、事前に渡されていた日本円を使ったのだが……。 ……ユーロは今まで一度も使った事がないからな……」


 そんなラウラの言葉に、シャルが覗き込む様に見ながら笑顔で。


「ふふっ、そっか。 ……ラウラ? 貯金するのはするで良いことだよ。 ……後はお金の使い方、覚えていこうよ」


 そんな笑顔のシャルに、柔らかな笑みを浮かべて応えたラウラ。


「うむ。 シャルロット、よろしく頼む。 ……ヒルトも、サポート、よろしく。 ……しかし、つい最近までは個人で金銭を持つ必要が無かったからな。 軍から受ける支給品で事が足りたし、潜入捜査の時も補佐エージェント以外からは物品を受け取らないようにしていたぞ。 でなければ容易に足がつく」


 ラウラの言葉に、若干苦笑しながらシャルは話題を変えた。


「あはは……。 と、とりあえず、公園に着いたからクレープ屋さん探さない? ヒルトは知ってる、クレープ屋さん?」

「……あぁ、あれの事か」


 そう小さく呟くと、ラウラが俺とシャルを見ながら――。


「クレープ屋? ……何故クレープなのだ?」

「えっと、もしかしたらヒルトは知ってるかもしれないけど。 ――休憩時間にお店の人に聞いたんだ。 ここ、城址公園のクレープ屋さんでミックスベリーを食べると幸せになれるって――そんなおまじないがあるらしいよ? そうでしょ、ヒルト?」

「……あぁ、てかここのミックスベリーの話は有名だからな」

「ふむ……。 所で二人とも、『オマジナイ』……というのは、日本のオカルトというやつか?」

「オカルト? ……どちらかと言えば、ジンクスか験担ぎって言った方がわかりやすいか?」

「成る程、流石は嫁だ。 わかりやすいぞ」


 うんうんと頷くラウラに、眉を下げて困
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