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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 K
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現状だけを見れば迷惑だが。」
「俺は嬉しいぞ!どうせやるなら全力でなければな!」
そう言いながらも、鈴女は式神を放ち、拳は己が身で突っ込む。
が、式神は一瞬で細切れになり、拳の一撃も軽く防がれる。
拳の拳が切れなかったのも、ただの偶然だ。少しでもお互いの攻撃の威力、纏った雷の量が違えば、拳のひじから先はなくなっていた。
「わが身よ、
解
(
ほど
)
けよ!」
「む・・・面妖な術を・・・」
拳は一瞬のうちに危険だと判断し、自分の体を完全に雷に解いて、鈴女のいるところまで後退する。
「危ない危ない・・・本当に、危ない・・・」
「ええ、先走りすぎましたね。さすがに、あの剣を甘く見すぎました。」
「うむ・・・鈴女は、まだ何か手が?」
「一応、切り札は残してあります。この状況で使っても無駄な気がしますし。」
「では、それはギリギリまで温存すべきだろうな・・・隙は俺が作ろう。」
拳はそう言いながら自分の身に雷を落とし・・・蓄電量を上げていく。
そして、雷のクラスも上げていき・・・神鳴りの領域まで、上昇させる。
「我らが神よ、その象徴たる力の一端をわが身に与えよ。雷ではなく神鳴り、御身の音そのものを、我が力とせん!」
そうして、拳は色のない雷を身にまとい、ヤタガラスを睨みつける。
「そこまでの神鳴りをつかえるとは、見事也!」
「ただ使うだけではなく、もはや我が手足、その刀にも負けませぬぞ!!」
拳はそう言いながら神鳴りを放ち、同時にそれを纏った体で突っ込んでいく。
そして・・・
「雷閃槌!」
「ぬお!?」
ついに、三本の刀を溶かし、ヤタガラスを地面に叩き落した。
さらに、溶けた刀によってその場に軽く固定されている。
「まさか、我が刀によって動きを阻害されようとは・・・」
「そして、その命を終わらせることにも?がります。」
そう言いながら、鈴女は身中の式神を開放する。
「来い、消炭!我が敵を喰らい尽くせ!」
「ぬ・・・龍、だと!?」
そう・・・鈴女の切り札の式神は、龍を従わせて式神にしたもの。
あくまでも倒したわけではないため、霊獣殺しに名を連ねてはいないが、これが、鈴女を席組みの一員たらしめている一因だ。
「・・・鳥だ。」
「・・・は?」
「美味そうな、鳥だ。」
「ま、まさか・・・」
「・・・いただきます。」
「ぎゃああああああああああああ!」
そして、動けなくなったヤタガラスは、消炭によって美味しくいただかれた。
こうして、三つ目の戦いは終了した。
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