暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 K
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
現状だけを見れば迷惑だが。」
「俺は嬉しいぞ!どうせやるなら全力でなければな!」

そう言いながらも、鈴女は式神を放ち、拳は己が身で突っ込む。
が、式神は一瞬で細切れになり、拳の一撃も軽く防がれる。
拳の拳が切れなかったのも、ただの偶然だ。少しでもお互いの攻撃の威力、纏った雷の量が違えば、拳のひじから先はなくなっていた。

「わが身よ、(ほど)けよ!」
「む・・・面妖な術を・・・」

拳は一瞬のうちに危険だと判断し、自分の体を完全に雷に解いて、鈴女のいるところまで後退する。

「危ない危ない・・・本当に、危ない・・・」
「ええ、先走りすぎましたね。さすがに、あの剣を甘く見すぎました。」
「うむ・・・鈴女は、まだ何か手が?」
「一応、切り札は残してあります。この状況で使っても無駄な気がしますし。」
「では、それはギリギリまで温存すべきだろうな・・・隙は俺が作ろう。」

拳はそう言いながら自分の身に雷を落とし・・・蓄電量を上げていく。
そして、雷のクラスも上げていき・・・神鳴りの領域まで、上昇させる。

「我らが神よ、その象徴たる力の一端をわが身に与えよ。雷ではなく神鳴り、御身の音そのものを、我が力とせん!」

そうして、拳は色のない雷を身にまとい、ヤタガラスを睨みつける。

「そこまでの神鳴りをつかえるとは、見事也!」
「ただ使うだけではなく、もはや我が手足、その刀にも負けませぬぞ!!」

拳はそう言いながら神鳴りを放ち、同時にそれを纏った体で突っ込んでいく。
そして・・・

「雷閃槌!」
「ぬお!?」

ついに、三本の刀を溶かし、ヤタガラスを地面に叩き落した。
さらに、溶けた刀によってその場に軽く固定されている。

「まさか、我が刀によって動きを阻害されようとは・・・」
「そして、その命を終わらせることにも?がります。」

そう言いながら、鈴女は身中の式神を開放する。

「来い、消炭!我が敵を喰らい尽くせ!」
「ぬ・・・龍、だと!?」

そう・・・鈴女の切り札の式神は、龍を従わせて式神にしたもの。
あくまでも倒したわけではないため、霊獣殺しに名を連ねてはいないが、これが、鈴女を席組みの一員たらしめている一因だ。

「・・・鳥だ。」
「・・・は?」
「美味そうな、鳥だ。」
「ま、まさか・・・」
「・・・いただきます。」
「ぎゃああああああああああああ!」

そして、動けなくなったヤタガラスは、消炭によって美味しくいただかれた。

こうして、三つ目の戦いは終了した。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ