飛ばされた先に〜
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亮〜
俺は船縁に立って海を眺めていた。・・・雲ひとつなく、風も波も穏やか。・・・順調過ぎる。何かしら襲撃があると予想したんだが・・・
「あの・・・」
「ん?」
振り返ると、クラナが立っていた。
「どうした、クラナ?」
「あ、いえ・・・その、凌統さんは・・・?」
「凌統・・・って春鈴だよな?なんで・・・」
『相棒はさっきから人数に欠員がいないかチェックしてるんですよ。心配性なんですから』
「・・・」
クラナが無言で睨むとアルは黙る。
「そうなんだ、わざわざ悪いなクラナ」
「いえ・・・」
「んで春鈴なら・・・今、裏側で吐いてると思う」
「え・・・?」
『もしかして、船に弱いのですか?』
「・・・多分、トラウマから来る乗り物酔いだと思う」
「・・・トラウマ?」
「あれ、知らないのか?」
『まだその頃は相棒は全然この世界を知りませんでしたからね』
「・・・アルもだろ」
「ま・・・みんな知ってるから言うけど・・・春鈴は水上戦で父親を亡くしてるんだ」
「!?」
「思春が春鈴の父親を討ち取ってな・・・最初の時はスッゴい思春と春鈴って険悪でさ・・・春鈴がかなり思春に怒鳴ったらしいからな」
『らしい?』
「・・・まあ、気絶してたんだよ、俺」
「あの・・・」
「ん?」
「凌統さんと甘寧さんって・・・仲、良かった・・・ですよね」
「・・・ああ。ま、色々あったんだよ」
「はぁ・・・あ、失礼します」
そう言ってクラナは反対側に向かっていったので・・・こっそり後を着いていく。
「おえぇぇ・・・げほっ、ぅぅ・・・」
春鈴が苦しそうに海に吐いていた。
「・・・えっと・・・」
「・・・あ・・・クラナ様に・・・アル様・・・すみません、見苦しいところを・・・」
春鈴が青ざめた顔で苦笑している。
「あの・・・その・・・」
「・・・何か、有りましたか?」
「う・・・」
『少々踏み込んだ質問を致しますが、船は苦手何ですか?』
それを聞くと春鈴は何かを察したのかハッとなる。
「・・・なるほど、その様子ですと、亮様から聞きましたか?」
「・・・はい。すみません・・・」
「気にしないで下さい。むしろ全員に知れ渡ってると思ってましたから。・・・クラナ様が聞きたいことはなんですか?」
「・・・凌統さんは、恨んでないんですか?その・・・甘寧さんを・・・」
「恨んでましたよ。そりゃもう自分の真名が嫌になるくらい」
「え・・・」
「今は違います
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