話数その16 嘘ではない
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確かに『僧侶』として参加しているが……ほとんど観戦しているだけだ」
「なんじゃそりゃあ!? じゃあ、何でこんな所に居るんだよ!」
「あの方はレイヴェル・フェニックス。眷属悪魔とされているが、ライザー様の実の妹君だ」
「妹おぉ!?」
「ライザー様曰く、『妹をハーレムに加えることは世間的にも意義がある。ほら、近親相姦っての? 憧れたりうらやましがる奴多いじゃん? ま、俺は妹萌えじゃないから形だけ眷属悪魔って事で』……だそうだ」
「つ、つまり、ライザーは―――」
「……救い様無しの真正の変態で馬鹿、と……」
「返す言葉も有りませんわ……」
「同じく」
晋の尤もな言葉に、レイヴェルも仮面の女もかばう言動すらせず頷いた。
明らかに敵同士のやり取りでは無い会話を交わしていた彼等に、突如として熱風が襲いかかる。
「我ら誇り高きフェニックス眷属は、炎と風と命を司る―――うけよ! 炎の旋風を!」
出所は如何やらカーラマインの様で、彼女は気分が高まっている所為か、敵味方関係なしに熱風を叩きつけているようだ。その熱風は徐々に炎の渦へと変わっていく。
「カーラマインめ……味方が居るのを忘れているのか!?」
「……忘れてるんじゃねぇの? あの様子だと…」
流石にこの熱風の中では戦えず、両陣営とも耐える事を優先していた。しかし、その中心近くに居る筈の木場は、慌てる様子もなく手を前に出す。
「僕たちを蒸し焼きにする気か。だけど―――止まれ」
今度は木場の方から疾風が吹く―――否、どちらかと言えば木場の剣に吸い込まれていく様だ。それは相手の熱風も同じようで木場の元に熱風が集まっている。
数秒もすると熱風も疾風も止んでいた。
「『風凪剣』……一度の戦闘に二本以上の魔剣を使ったのは久しぶりだよ」
何時の間にか木場の手に握られていた剣は剣先に輪がついており、その中に風のような物が渦を巻いていた。
「神器は一人につき一つしか宿らない筈だ。ならお前は、他者から神器を奪い所有している後天的な所有者か?」
「違うよ、僕は複数の神器を所有しているわけじゃない―――一から創ったんだ、魔剣をね」
「創った……だと?」
「『魔剣創造』。名前通り、僕が思う魔剣を作り出せる神器さ」
そういうと木場は地面に手を当てると、地面から剣が勢いよく飛び出てきた。それらは色も形もバラバラで、行動も合わせて木場の言う事を事実だと実感するには十分な要素だった。
「お、やってるみたいだにゃ」
「ほんとね、中々じゃない?」
「あれ? 人間がいるよ」
と、別方向から複数の声が聞こえてくる。 どうやら、『女王』を除いた残り四人のフェニッ
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