歌い手、強制収用される
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ら」
ペストの余裕そうな表情からすると、黒ウサギさんの相手は苦にならない考えているのだろう。
悔しいところだけど、魔王なら仕方ないようにも思える。
「ゲームに、期限をつけます」
そして、ジン君が意を決したように、口を開いた。
「なんですって?」
「一週間後に再開し、その二十四時間後に、ゲームを終了する。そして、ゲームの終了と共に主催者の勝利とします」
本当にギリギリの・・・背水の陣に近い提案だ。
「・・・本気?主催者側の総取りを覚悟すると?」
「はい。一週間なら死者が現れないギリギリのライン・・・今後現れると予測される病状やパニックに、精神的、肉体的に耐えられるギリギリの瀬戸際。つまり・・・それ以上は、僕たちには耐えられない。だから、全コミュニティは無条件降伏をのみます」
なんともまあ・・・危ない橋を渡るものだ。
でも、危ないからこそ、両者にとって得がある。
だからだろう、ペストは十分に悩み・・・
「ねえジン。もしも一週間生き残れたとして・・・貴方は、魔王に勝てるつもり?」
「勝てます」
ジン君の即答で、意を決したようだ。
「・・・・・・そう、よく分かったわ。ここに宣言してあげる。貴方は必ず――――私の玩具にすると」
その瞬間、激しく黒い風が吹き抜け・・・風が収まるころには魔王陣営は消え、一枚の黒い“契約書類”が残されていた。
「ふう・・・これで決議も終わったね。皆、ラッテンさんは僕が相手するから、」
そう言いながら振り返ると、黒ウサギさんとサンドラちゃんが、怒りの表情でこっちを見ていた。
「えっと・・・御二人とも?何故そのようにお怒りでいらっしゃるのでしょうか・・・?」
「何故、では無いでしょう、この御バカ様!」
「どうして、発症したことを隠してたの!?」
「いや、相手がペストだってこともこの決議の中で知ったんだし・・・ただの痣かなー、と・・・」
「痣がそんなに大量に出るはずが無いでしょう!?」
「それに、“黒死病”なら体調にも異常が出ていたはず!」
「あーそれについては・・・ギフトの都合上一切出てないんだけど・・・」
「問答無用です!」
「いま病室を準備させてるから、大人しくしてるように!」
強制的に、病室に送られました。
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