歌い手、強制収用される
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は例外・・・そうだな、御チビ?」
「はい。十六夜さんに奏さん、両隣にいるのは“ラッテン”と“ヴェーザー”で間違いないですね?」
「ああ」
「うん、本人はそう名乗ってたよ」
「ありがとうございます。そして、もう一体の陶器の巨兵は嵐だと聞きました。なら、貴女は黒死病・・・ペストではないですか?」
「ペストだと!?」
ジン君の発言で、その場の僕以外の全員の視線が斑の少女に向かい、僕はただ、表情を見られないように下を見ながら、唇を噛み、少し捲くれていた服の袖を整えた。
相手が“ハーメルンの笛吹き”だと言うのなら予想できたことではあるし、ほかにもその結論に至る証拠はあったのだが・・・正直、目を逸らしていた。
なんせ、ペストの特徴として、全身に――――
「そうか、だからギフトネームが“黒死斑の魔王”!」
「ああ、間違いない。そうだろ魔王様?」
「・・・ええ。正解よ」
考え事をしている間に、魔王が自らその事実を認ていた。
「これだけの時間と証拠から私の正体を当てたのは御見事、としか言えないわ、名前も知らない貴方。よろしければ貴方とコミュニティの名前を教えてもらっても?」
「・・・“ノーネーム”、ジン=ラッセルです」
意外なことに、魔王・・・ペストは、コミュニティの名前に驚かなかった。
「そう・・・だけど、確認を取るのが遅かったわね。私達は既にゲームの日取りを一ヶ月までなら弄れると言質を取っているし、参加者の一部に病原菌を潜伏させている。ロックイーターのような無機生物や悪魔でもない限り発症する、呪いそのものをね」
再び、場が緊張に包まれた。
ペストの言っている呪いは、恐らく・・・いや、間違いなく黒死病と酷似している。
一ヶ月もあれば、煌?の都にいる種のほとんどが死亡。もちろん、ゲームにも敗北することになる。
「ジャ、ジャッジマスター!彼らは意図的にゲームの説明を伏せていた疑いが、」
「駄目だよ、サンドラちゃん。“ギフトゲーム”で不死が殺せないのは殺せないのが悪いように・・・向こうが病原菌を撒き散らしていようと、対処できない僕たちが悪いだけ。もし此処で箱庭に審議を問えば・・・また一つ、魔王側に有利な条件をしかれる」
僕の話に納得してくれたようで、サンドラちゃんは言葉を飲み込んでくれた。
そして、ペストは微笑を浮かべながら、この場にいる参加者全員に問いかけた。
「此処にいるのが、参加者側の主力と考えていいのかしら?」
「・・・」
「うん、それで概ね合ってるよ。一番の戦力がいないけど」
誰も喋ろうとしないので、僕が代わりに答える。
「奏、こっちの情報を話すことは、」
「確かに、
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