〜幕間〜 規律と責任
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女たちは不思議そうな顔をした。
俺のした事は彼女達からすれば当然で、間違ったことなど何もなかったのだと分かる。
「お前はこちらの軍に近いのだな。あの三人については、これからゆっくりと教えていくことにしよう」
夏侯淵ならば安心だ。上手く誘導するに違いない。忠義の心については夏候惇を見ていたら勝手につくだろうな。
「秋蘭、私達はこいつみたいに捻くれてはいないぞ?」
「酷い言い草だな、夏候惇殿」
「はっはっはっ、事実だろう? ほら、休憩は終わりだ。二度とそのような兵が出ないように、私と戦え」
無茶苦茶な論を押し付けて終わったはずの訓練を持ちかけてくる夏候惇に苦笑が漏れるが、思い出して少し不快な気持ちが湧いていたのも事実。
もしかしたら気遣ってくれたのかもしれない、と淡い期待に心が軽くなり、暗くなるまで打ち合いに付き合って貰った。
蛇足〜覇王の心境〜
凪から聞いた徐晃の対処は見事なモノだった。浮ついた義勇軍の心を引き締め、明確に越えてはいけない線を引きなおした。
本来なら黙っていればいいはずだが、義勇軍を瓦解させる事もたやすい危うい賭けに出て、あの男は誠実に対応し全ての責は自分にあるとそこだけは守り抜いた。しかしそれは私がどういう人物かを見抜いているからこそ出来た事だ。
幸いあの男は私が咎めなかった事で借りだと思っているだろう。迅速で厳しい対応を行ったことで私の軍の名も傷つくことも無く、凪の成長にも繋がったし、私の将全体への注意喚起にもなったので、こちらとしては得ばかりだというのに。その点も読んで借りを返しに来るのなら……おもしろい。
徐晃は興味深い。
劉備の元に居て、劉備の部下としてはだが、行ってはいけない対処をした。なのに兵からは不満も出なかった。それはまさしく異常な事だ。
才色兼備な関羽が、曲がらないモノを内に秘める稀有な存在である彼女が一番欲しかったが……あの男の方が興味深くなった。
もう少し観察してみましょう。
もし手に入るのなら……
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