第四十八話 薔薇園その十六
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「イタリア人の偉大さがよくわかるわ」
「イタリアね、私も好きよ」
精霊もだ、イタリアと聞いてにこりとして言う。
「可愛い感じの国よね」
「そうそう、女好きでいい加減で喧嘩弱いってイメージもあるけれど」
だが、というのだ。
「愛嬌あるのよね」
「じゃあ今度はワイン飲む時はね」
「そうね、パスタとピザがいいわね」
「それを楽しんだら?」
「そうするわ」
茉莉也は精霊の言葉に笑顔で応える、そしてだった。
二人にもだ、こう言うのだった。
「それでパスタピザ祭りの時はね」
「私達もですか」
「来いっていうんですね」
「場所はまだ決めてないけれど妖怪さん達も皆呼ぶから」
そして皆で楽しむというのだ。
「そうするわよ」
「はい、それじゃあ」
「その時は」
「パスタもピザもチーズよ」
パスタの上には粉チーズ、それをかけるからだというのだ。
「チーズを食べると乳製品だから」
「胸、ですか」
「それですか」
「あんた達の胸が大きくなれば」
「いや、先輩の胸じゃ」
「そっちですよね」
自分の胸は大きくならなくていいのか、二人はすぐに茉莉也に返した。
「そうならないんですか?」
「ご自身のことは」
「これでも満足しているのよ」
大きさにというのだった。
「私はね」
「そうなんですか」
「そういえば先輩の胸も」
二人は茉莉也の制服の中にある胸を見る、見れば。
「結構ありますね」
「しかも形も」
「そう、爆乳とかはいいから」
そこまではいらないというのだ。
「普通の大きさでね」
「それでいいんですね」
「今のままで」
「そう、今のままで満足してるわ」
茉莉也はワインを飲みつつ二人に話す。
「というか大き過ぎると邪魔になるでしょ」
「あれっ、そうですか?」
「大き過ぎると邪魔になるんですか」
「あんた肩凝らない?」
茉莉也は胸が大きい愛実に顔をやって問うた。
「それで」
「いえ、別に」
「凝らないの?」
「そんなことはないですけれど」
「そうなの」
「というか胸が大きいと肩が凝るんですか」
初耳といった顔でだ、愛実は茉莉也に返した。
「そうなんですね」
「その顔は本当に知らないのね」
「はい、今はじめて聞いた位で」
「私もです」
聖花も言う、聖花の場合は愛実より小さい。とはいっても平均から見てそれ程小さくはないどころか平均よりやや上と言っていいが。
「そんなのあるんですね」
「巨乳で肩凝りですか」
「クラスメイトでいるのよ」
茉莉也の身近な話からだった。
「一人ね」
「胸が大きくてですか」
「肩が凝る人が」
「その娘は背が一六〇位で胸のサイズは九十よ」
それだけだというのだ。
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