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ヘタリア大帝国
TURN110 法治その八
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「枢軸軍の陣営はさらに強化される」
「そういえば今度枢軸側のソビエト軍も編成するそうだな」
「その予定だ」
「そこにジューコフ元帥も加わるか」
「ソビエト軍最高司令官になってもらう」
 枢軸側の、だというのだ。
「参加してくれればな」
「そうか」
「是非にと思っている」
「いい考えだ、では私もだ」
「元帥の説得に協力してくれるか」
「洗脳されていなければそれは容易だろう」
 共有主義に染まっていなければだというのだ。
「あくまで洗脳されていなければだがな」
「そうだな、降伏した将兵が降伏した先に加わることは常識だ」
「そのことで誰も責めない」
 そして責めてはならない、この世界の暗黙かつ絶対のルールの一つだ。
「だからだな」
「その場合はいい、しかしだ」
「共有主義に洗脳されていれば」
「説得は容易ではない」
 そうなるというのだ。
「そしてその場合はだ」
「利古里ちゃんにも協力を頼みたいが」
「洗脳の解き方はレーティア総統からお聞きしている」
 憲兵は陸軍の部隊の一つだ、山下は彼等を率いる立場からレーティアからそうした技術も学び身に着けているのだ。
「任せろ」
「それではだ」
「うむ、行くとしよう」
 二人で話してそしてだった。
 東郷と山下はジューコフのいる貴賓室に入った、見れば彼はスプーンに付けたジャムを舐めながら紅茶を飲んでいた。
 その他にはこれといって何もない、実に質素な感じだ。
 その彼にだ、東郷と山下はお互いの敬礼の後で話した。
「今回私達がここに来た理由ですが」
「それはもうわかっている」
 ジューコフは山下に対して答えた。
「私に枢軸軍に加われというのだな」
「はい」
 その通りだとだ、山下も答える。
「お誘いに来ました」
「そうだな」
「それでなのですが」
「条件がある」
 ジューコフはここで二人が想定しなかった言葉を出してきた。
「それにはな」
「条件といいますと」
「同志カテーリン書記長のことだ」
 彼女のことだというのだ、条件は。
「私はこの戦争は君達が勝つと思っている」
「何故そう思われるのですか?」
「我々の戦術を何度も破ってきている、その才覚があればだ」
 ソビエトに勝つというのだ。
「ソビエトの大半も占領しモスクワも占拠した」
「そのことも含めてですか」
「ロシア平原でも勝つだろう、ロシア平原で勝利を収めれば全ては決する」
「だからなのですか」
「私は君達が勝つと思う、だが」
「カテーリン書記長を」
「あの方は確かに子供だ」
 本当に年端もいかない、まだ小学生の年齢だ。
「その政策にも子供故の至らなさもある」
「共有主義自体がですね」
「私は実は共有主義を信じてはいないが」
 それでもだというのだ。
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