長い乱世の入り口に
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ばかりでは汚い話が多いのだろう。
「あなた方と関われて料理の楽しさを、そして人と食べる楽しさも思い出せました」
濁りのない瞳で語る店長はどこか少年のように見えた。しかし内に秘める野心の炎がその中で轟々と燃えているのを隠そうともしない。
「やろうではありませんか」
「だな。別れる前にそれぞれの想いの成就を願いあうんだ」
「じゃあ店長はみててくれよ。立会人だ」
杯に酒を満たし、明かりを消す。窓の外は煌く星と半月。中庭がおぼろげに照らされて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
暗いが見えない事も無い部屋の中で言葉を零す。
「さしずめ月下の願い、ですかな?」
「いや、夜天の願い、とかどうだろう。星が綺麗だ」
「いいな、それでいこう」
名前を決めてから三人ともが杯を掲げる。
「我が愛する家を守ること」
「正義をもって弱きを助けること」
「この世界を変えること」
「「「どうかその願い、叶えられんことを」」」
きっと、いや絶対叶うさ。
灯りを点けると何故か泣いてる店長がいて、今までの礼を言い、彼も混ぜて酒宴を続ける。
白蓮も我慢できなくなったのか酒を飲み始め、楽しい夜は更けていく。
結局潰れた白蓮を星が、寝てる雛里を俺が連れて帰ることになった。
乱世の入り口はもうすぐそこに
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