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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百二十九話:ポートセルミのモンスターじいさん
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「茶葉と道具は、ここじゃ。魔物用には、これを使えばいいじゃろう。茶菓子は、貰い物が丁度あったの。ふむ、これじゃ」
「ありがとうございます。では、後は私たちが」
「ふむ、では任せる。儂はドーラ嬢の連れの魔物たちと、話をさせて貰うゆえ」
「わかりました」

 道具類の場所を簡潔に説明してくれた後、じいさんが仲間たちの待つ事務所にいそいそと戻っていきます。

 じいさんを見送って、ヘンリーが口を開きます。

「……なんか。オラクルベリーのセクハラじじいとは、かなり雰囲気が違うな」
「そうだね。本当に、魔物が好きそうっていうか。研究熱心なのかな」
「そうだな。……あれなら、心配は無さそうだが。でもまだ油断はするなよ」
「……」

 油断って。
 だから一体、何をそんなに警戒してるんだ。



 そんなことを話しつつ、お茶と茶菓子を準備して。

 手分けして、と言ってもモモ用の器とか重そうなのはほとんどヘンリーが持って、申し訳程度に私も茶菓子なんかを持って、事務所に戻ります。

『あ、ドーラちゃん、ヘンリーさん!お帰りー!』
「恐れ入ります、ドーラ様。主を働かせて、臣下たる拙者がこのような」
「ただいま。いいよ、そんなの。私がやるって言ったんだから。モンスターじいさんも、みんなの話を聞きたがってたみたいだし」

 お茶淹れるスライムナイトとか、ちょっと想像つかないし。
 できるならやるって言ってそうなものだから、さすがにそれはできないんだろう、ピエールは。

 私の発言を受けて、モンスターじいさんが目をキラキラさせながら興奮気味に口を開きます。

「うむ!ドーラ嬢の仲間たちは、素晴らしいの!まず、このキラーパンサーのモモ嬢!キラーパンサーが仲間になると言うこと自体、儂の短くは無い人生でも、見るのは愚か聞いたことすらも無かったが!野生のキラーパンサーの思考の単純さと比べ、彼女はあまりにも賢い!この賢いモモ嬢と、未だ目覚めておらなかったとは言え高い素質を持つドーラ嬢が出会い、仲間と出来たこと!モモ嬢の賢さか、ドーラ嬢の素質の高さか。どちらが大きかったのか、或いは双方が揃って初めて成し得たのか。まさに、運命と呼ぶべき事柄じゃの!」

 ……うっ。

 そ、そうか、このじいさんも当然、モンスターと話せるんだろうから。
 モンスターじいさんたるもの、当然キラーパンサーくらい、見るくらいは見たことあるよね!
 そしたらモモの不自然な賢さにだって、当然に気付いちゃうよね!

 そんな私の困惑を知ってか知らないでか、全く慌てずにお茶に口を付けるモモ。

『あ、おいしいー!お茶って初めて飲むかもしれないけど、おいしいんだね!熱さも、これくらいなら大丈夫!ありがとう、ドーラちゃん、ヘンリーさん!』

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