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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百六十四話 久々の捕虜交換への道筋
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の点は、“卿等は叛徒200万と交換するほど重要な臣民である”と宣伝すれば良いだけで、それに因って帰国者の忠誠心を上げる訳です」
「しかし、奴等は裏切り者の集まりですぞ」
「左様、一度裏切りし者は、信用できませんぞ」

皆の心配は尤もであったが、テレーゼとしてはワルター・フォン・シェーンコップは、実際にあって見た結果、原作通りに信用し信頼できると感じていた。

「その点は、少しずつでも信頼関係を築いていくわよ」
「それに、話した限りでは心配は無いわ、まあ暫くは領内警備でもして貰うけど」

「テレーゼもこう言うと聞かぬでな、憲兵総監よしなに」
「御意」
この瞬間、グリンメルスハウゼンに目に光が点っていた。

「所で、帰す人材だけど、ローゼンリッターは帰せないけど、連隊長のヴァーンシャッフェ大佐は帰還させなさい、彼がいたら邪魔だし。それと、同盟軍第六艦隊司令長官のムーア中将だっけ、彼も幕僚全員と共に捕虜交換で帰しなさい」

テレーゼの意見にケスラーが驚いた表情で諫言する。
「殿下、一線級の艦隊司令長官を速解放などあり得ない事ですぞ」
「その点だけど、ムーア中将は大したことのない凡将なのよね、何と言っても敵前大回頭って頭悪すぎだわ」

テレーゼがムーアの欠点を上げる。
「それならば、構わないと思いますが」
「ケスラー、一度失敗した司令官は再度艦隊を持たせられんであろう、杞憂じゃよ」

「まあ、お父様の言う通りなんだけど、世の中には思っても見ない事が起きる事が有って、あのムーアは国防委員長ヨブ・トリューニヒトの飼い犬だそうよ」
「あの主戦派の」

「そう、あの男の場合主戦派を利用している可能性も有るけどね。鵺みたいな存在なのよね。其れの飼い犬の中で艦隊司令官を任せられるのは、今のところ三人のみ、そして人事権はトリューニヒト派に握られているとすれば、早期の司令官復帰もあり得るわけで、此方としても好都合なのよね」

「其れはなぜでしょうか?」
「今の同盟軍で一線級と言えるのは、第一艦隊司令官クブルスリー中将、第五艦隊司令官ビュコック中将、第八艦隊司令官アップルトン中将、第十艦隊司令官ウランフ中将、第十二艦隊司令官ボロディン中将ぐらいかしら、其処に第六艦隊司令官職が空いたら、頭角を現す指揮官が出てくるかも知れないのよね。ミッターマイヤー達みたいに」

ミッターマイヤー中将達の活躍を思い出して皆が頷く。
「成るほど、上に蓋をする訳ですか」
「そう言う事、頑迷な司令官の下ではどんな知者も役に立たない」

「成るほど」
「芽のうちに剪定するわけじゃ」
「そうです」
「その為の捕虜交換なのですな」

「まあ、其れだけじゃ無いのだけどね」
「それは?」
「同盟にいる俘虜とそれに準ずる者を全て引き上げて
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