第百六十四話 久々の捕虜交換への道筋
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スハイマー、フレーゲル、クロプシュトック達とかから巻き上げた解放拉致農奴が100万ほどいるのよね。そのうち矯正区にいる捕虜が120万ほどで、うち(ローエングラム大公領)にいるのが140万で、向こう(同盟)が俘虜にしている同胞が65万ぐらいよね」
「はっ、その通りでございます」
テレーゼがスラスラと捕虜の数を言うのでフリードリヒ四世を含めて関心している。
「其処で、ヴァンフリートでの捕虜のうち、宇宙艦隊所属の50万と矯正区にいる50万を足して、貴族連中の持っている残りの拉致農奴と等価交換して貰うわ。そうすれば、拉致農奴はゼロになるし。彼等(貴族)とて、使い古しの労働力(拉致農奴)より、進退強健で新品の労働力(捕虜)の方が得だと思うでしょうからね」
「テレーゼ、等価交換して何があるのじゃ?」
「今回は、可哀想な拉致農奴を皇帝陛下の御慈悲で解放するとと言うお題目ですから」
「成るほど、陛下の御慈悲を内外に示すわけですか?」
「んーそう言う訳ではなく、同盟を僭称する叛徒どもって、面倒臭いから同盟で行くわ」
「殿下」
「よいよい、皆も影ではそう言っておるのであるから、此処は非公式な場じゃ」
「御意」
「で、同盟政府に“貴方方の選挙の票を持っている拉致被害者と捕虜をお返ししますよ”と捕虜交換を持ち掛ければ一も二もなく乗ってくるでしょう。そこで此方からは、ヴァンフリート4=2基地の捕虜も入れて、軍人100万程と、拉致農奴200万をプラスして300万として、向こうからは、65万全てを戻すと」
「殿下のお言葉ではございますが、其れでは捕虜のバランスが取れませんぞ」
「国務尚書の言う事は判るわ」
「ではなぜでございますか?」
「足りない235万の等価として此方に残った同盟の捕虜で帝国へ亡命や逆亡命を求める者で家族や係累が帝国へ来る事を望む者達を送り出させる。更に向こうへ行った亡命者でも帰国を望む者は帰国させるようにさせる」
「それは……」
「尤も、235万もの帰国希望者が居るとは限らないけどね」
「其れではなぜでございますか?」
「1つ目に捕虜にしたローゼンリッターを手元に残す為、2つ目に帝国は亡命した者の帰国を心より望んで居ると見せる為」
「しかし、あの連中は危険ですぞ」
「この前会ってきたけど、斜に構えているだけで心から帝国を憎んでいる訳では無いわね」
「しかし」
「まあ、この辺は妾にまかせよ」
「テレーゼの勘はよう当たる。任せてみようぞ」
「御意」
そして、テレーゼの示した資料ではローゼンリッターの家族、係累、その他の人材が帰国しても精々100万人に届かない数字が書かれていた。
「して、テレーゼ、この資料じゃと、捕虜交換率に100万もの不均衡が有るのじゃが?」
「そ
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