一部【スサノオ】
十七章【試練】
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:【討伐祭参加資格】
依頼主:【ウォルター】
「おいおい…」
届いた依頼に顔をしかめるジャック。
それもその筈である。ケルベロスといえばフロンティア2でも中堅に位置する強力なネイティブであり、明らかに零達が相手にするには酷な対象なのだから。
「どういうつもりだよ…俺たちはまだフロンティア1を卒業したばかりだぜ?」
「なに、問題はないさ!むしろマスティフを討伐できた君達には余裕ですらあると僕は思うけどね!」
「討伐できたって、ギリギリだぜ…」
ガックリと肩を落とし、やれやれと首を振るジャックに対し、ウォルターは悪戯な笑みを浮かべた。
「フフフ…大丈夫だよ。それに、いいかい?強くなるためには自分より弱い相手と戦っていたって成長できないんだよ。君達にはもっと強くなってもらわなくちゃ」
「まぁ、確かにそうですけど…」
「博士、時期尚早って言葉知ってますこと?」
「…むぅ。ノリが悪いなぁ」
零とクラウリーの反応にガッカリしながらもティティへと目を向け。
再びニヤリと笑みを浮かべる。
「君はどう思うティティ君?」
「私は…」
問いかけられモジモジと目を伏せるティティだが、すぐに真っ直ぐとウォルターを見るとその小さな口から言葉を絞り出す。
「出来る…と思います……単純に私達の戦力を考えれば……ですけど」
「だよね!だよねっ!?さぁ、どうする!?こんなか弱い少女ができるって言ってるんだよ!?」
「あのなぁ…博士。んな挑発したって無理なもんは……」
いいかけたジャックだが、そのすぐ刹那意外な人物がその言葉を遮った。
「やりますわっ!冗談じゃありませんわ!別に出来ないなんて一言もいってませんことよっっ!」
凄まじい形相。
誰よりも前へと乗りだしクラウリーは、固く握りしめた拳をウォルターへと向ける。
「私、ナメられるのが一番嫌いですの。今回はその挑発に乗って差し上げますけれど…」
握りしめた拳に槍を生成し、勢いよく床へとその刃を突き立てるクラウリー。
刃を突き立てられた床は刃を中心に全方向へと亀裂を入れた。
「次からは言葉を選んでいただけますこと?」
ヒステリックで暴力的なその行動に若干…いや、相当に引く零とジャック。
そんな2人を尻目に槍を引き抜き背を向けスタスタと歩き出す。
「ちょっ、ちょっと待てよクラウリー!なにムキになってんだよ」
そんなクラウリーを後ろから肩を掴み引き留めるジャックだが、それを振り払い鋭い眼差しで睨み付けるとボソリと一言…ジャックにしか聞こえなかったであろうと言うほどの小さな声で沸き上がる怒りの感情を押し殺すように呟いた。
「もう、誰かと比べられるのも見下されるのもウンザリなのよ」
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