第156話 殺人犯
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し蹴りでカイトの持っている短剣を弾き飛ばした。剣は宙を舞いガンッ!と鈍い音を立てて壁に突き刺さった。
ル「まさか・・・あなたが、ミハル王女を・・・」
私は未だに信じられなかった。さっき、私を助けてくれたのに・・・まさかミハル王女を殺そうとしているなんて・・・カイトは右に口角を上げると、
カ「そうさ。俺がミハル王女を殺そうとしたカイト・ガドリーだ。」
不気味に笑った。って、あれ?「カイト・ガドリー」・・・どこかで聞いた事があるような・・・・?
ユ「フィオーレ王国では今最も有名な人物だよ。カイト・ガドリー。1人で殺人の仕事をし続けてきて、これまでに何人もの人を殺してきた殺人鬼。」
そうだ!先週の週刊ソーサラーでも一番目立ってた記事に載ってたわ!
カ「俺は殺人鬼じゃねぇ。殺人犯だ。」
どっちも似たようなもんじゃないっ!変なところに拘るなっ!!
カ「でも、よく俺が殺人犯だって分かったな。普段は顔を明かしていないのによ。」
確かに。私とユモは、豪華客船の前でカイトと話したけど、ほんの数分だった。それに、週刊ソーサラーの記事に載ってたカイトは黒いシルクハットを目深に被っていたし、よく表情が分からなかったのに・・・
ユ「胸ポケット。」
ル&カ「?」
ユ「タキシードの胸ポケットには何も入れないのが基本中の基本。入れるとしたらハンカチみたいな邪魔にならない物。でも、カイトのタキシードのポケットは膨らんでいたの。ひょっとしたらと思ってたら、本当に殺人犯だったってわけ。」
あ、あの短時間で、そんなとこまで気づいていたなんて・・・ユモってすごい!カイトはまた右の口角を上げると不気味に微笑んだ。
カ「君には敵わないや。降参だ。」
カイトは静かに両手をあげた。
カ「そういえば、さっき名前を聞いていなかったな。」
ユモは何回か瞬きをした後、両手を構えて冷気を溜めて、氷で妖精の尻尾のギルドマークを造形すると、
ユ「私はユモス・クオリナ。妖精の尻尾の魔道士よ。」
カイトは一瞬驚いた表情をしたけど、またすぐに不気味に微笑むと、
カ「妖精の尻尾か。覚えておくよ、ユモス・クオリナ。それと、ルーシィさん♪」
ユモの後ろにいた私に向かってウィンク。ちょ、ちょっと吐き気が・・・すると、カイトが床に向かって何かを投げた。すると、それが破裂して白い煙が出てきた。
ユ「え、煙幕ッ!?ゴホッ!ゴホッ!」
ユモや私、ミハル王女たちや客の人たちも咳き込む。
カ「今回だけは見逃しといてやろう。だが、次こそは人間の命を頂に参上する。覚えておけっ
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