ワールドウォー=スリーの報道ミス
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めてきた。頭に痛みが走る。
「つうっ」
思わず声をあげる。だがそれで酔いが醒めてきているのを感じていた。
そこに飼っている猫が来た。白地に黒と濃いグレーの模様のスコティッシュ=ホールドである。垂れた耳が特徴的なイギリススコットランド産の猫である。雄で友達からもらったものだ。
「くぅ」
猫は鳴き声をあげながら彼の膝に来た。そしてその上に乗ってきた。
「よしよし」
その額や喉を触ってあやす。猫の喜ぶところをさすってやる。
耳も触る。この猫はどういうわけか耳を触ると喜ぶのだ。するとさらに喉を鳴らして目を細める。どうやらかなり嬉しいようだ。その細めた目でわかる。
お茶を飲み終わると猫はここで気が変わったのか膝の上から出た。そしてテーブルの下に行くと寝転がり身体を丸めた。そしてそのままねはじめた。
「何かいつも寝ているな」
彼はそれを見て呟いた。猫はいつもそうやって寝る。この猫はどういうわけかテーブルの下が好きだ。昼はいつもそこで寝ているのである。
お茶を飲み終わると着替えようと思った。だがまだ酔いが醒めていない。テレビを見ても何か面白くない番組がやっていた。彼にはそう見えた。
「日曜だってのに何もないのかね」
チャンネルを変えてもどれも同じだった。何かニュースばかりであった。
「ったく、他はないのか」
リモコンを放り出した。そしてテレビから目を離した。そしてソファーの前の小さなガラスのテーブルに目をやった。そこには一冊の雑誌が置かれていた。間にペンが挟まっている。やりかけのクロスワード=パズルを思い出した。ふとその雑誌を手にとった。
「何処までいったかな」
雑誌を開いてペンを手にとる。そしてときはじめる。その間もテレビからはニュースが流れる。
「引き続きニュースです」
今度は似合わない口髭を生やした眼鏡の初老の男が出て来た。彼はその声を聞いただけで不愉快な顔をした。そしてテレビに顔を向けた。
「何でこいつが休日の昼間に出るんだよ」
そう言ってまたチャンネルを変えた。彼はこのアナウンサーが嫌いであった。無責任な発言を繰り返すくせに態度が傲慢だというのがその理由であった。だがチャンネルを変えて話す人間が変わるだけでニュースであるのは変わらなかった。どれもニュースばかりであった。
「どうなってるんだ、今日は」
テレビを見て舌打ちした。ニュースの内容は全く聞いてはいなかった。ただニュース番組ばかりなので嫌気がさしてきていたのであった。
もうテレビはつけたままにして見るのを止めた。何故か切る気にはならなかった。そしてクロスワードに専念することにした。だが思うように解けない。
「辞典か何かないのか」
ネットで検索しようかとも思った。だが酔
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