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桐乃は...
1話

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「兄貴ー、起きろー。」

 んだよあのブス、また起こしに来やがった。昨日もう起こしにくんなって言ったのに...

 「分かってるよ。今日は寒いかもう少しあったまってからな。」

 「前にそう行って遅刻しそうになったじゃん。だから起きてってー。」

 揺すんなっての。

 「だーもう分かったよ、起きりゃあいいんだろ―――――――

 俺は初めて自分の目を疑った。あのブスが...あのブスが......こんなに可愛いなんて!
 だからこう叫ばせてもらおう!“ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない”!

「どうしたの兄貴?」

 心配そうに近づいた。

 「あっ、ちょっ、近づくな」

 手を弾いた。

 「痛っ」

 「えっ、あっ、す、すまん」

 何謝ってんだ、相手はあの生意気な妹だぞ。だがその妹は何故か可愛い。
 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。俺の妹がこんなに可愛いわけがない。俺の妹がこんなに可愛いわけがない。そうだこれは夢だ。夢なんだ。寝よう。

「目ぇ閉じちゃだめだって、遅刻しちゃうって」

「大丈夫だって。遅刻しない程度に起きて、学校行くから。」

 これは絶対夢だ。誰が何と言おうと夢だ。

「起―きーてー!」

「うるせぇ、耳元で叫ぶな」

 寝させろ、しかも耳元で叫ばれると耳が痛いんだよ。......ん?待てよ?耳が痛い?夢かもしれないこの状況での痛みがあるってことは...現...実...?

 「もう知らない!こんな兄貴なんて遅行しちゃえばいいんだ!」

 と言い、ドアを勢いよく閉めて出てった。

「ふぅ、やっといなくなった。しかしなんなんだあれは。まぁ、着替えながらでも考えるか。」

 「ねー、お母さーん。兄貴が何度も起こしたのに起きようとしないんだけどー。」

 「なんなのあの子は。」

 「少し頭の中を整理しよう。ひとまず深呼吸。」

 スゥーハァー......。よし、まずは昨日の朝から桐乃の状態を確認していくか。昨日の朝起こしに来た時は今までどおりのブサイクだった。学校から帰宅してきた時も同じ、寝ろ前も同じ。だが、今日起こしに来た時には可愛かった。てことは、一晩で変わったってことか...ダメだ、全くわけがわからん。んー...

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