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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第41話 「変わりゆく人々」
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くてもいいのですよ」
「偽っていません!! 姉上こそ、まともに戻ってください。このままでは新しい帝国に、ふさわしい女性になれませんよ」
「何を仰るうさぎさん。これからは女性も自由に生きてよいのです」

 かんらかんらと笑うアンネローゼ様。
 自由の意味が違うと、ラインハルト様が呟かれます。
 そうでしょうね、自由と無秩序は違うでしょう。無軌道無分別な女性では、いけないような気がしますし……。
 部屋の隅でマルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー様が、怯えた目で、アンネローゼ様を見ています。

「ジークぅ〜」
「マルガレータ様。大丈夫ですか?」

 思わず駆け寄ってしまいました。

「アンネローゼが怖いの……」
「大丈夫ですよ、ジークがついていますから」
「うん」

 こくこく頷く、マルガレータ様。
 ああ、この腐った宰相府の中にあって、このお方だけでも守って差し上げなくてはっ!!

「ジークは幼女趣味?」
「失礼な事を言わないで下さい!!」

 ひしと、しがみついてくるマルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー様を、背中に庇いつつ、アンネローゼ様に言い返します。
 ああ、なぜ、この様なお方になってしまったのでしょうか?
 前はこんな方ではなかった。
 人は変わる。帝国も平民も貴族も変わっていく。
 だけど必ずしも、良い方向に変わる人ばかりではないのかもしれない。
 その事を今、痛切に感じていました。

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