神様ヘルプ!
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神様ヘルプ!
「くそっ!」
アスファルトの道路を思いきり蹴りつけた。そうせずにいられなかった。ただただ今の状況が腹だたしかった。俺はとにかく今この状況がどうにもならないのが腹だたしかった。
上を見上げる。もう真夜中だ。そこには部屋の灯りがあった。だがそれは俺の部屋の灯りじゃない。あいつの部屋の灯りだ。
「また惚れたのかよ」
唾を吐いてからそう呟く。そしてまた上を見上げる。二人のシルエットだけが見える。そこにいるのはあいつとその新しい彼氏だ。俺じゃない。
見ているのが嫌になった。そのまま背中を向けてその場を去った。多分そのまま今夜は二人っきりといったところか。こんな夜をもう何度も送ったことか。だがそこにいるのは常に俺じゃない。あいつと他の男だ。
「妹みたいなもんさ、御前は」
格好つけてこう言ったのが運のツキだった。それで俺の本当の気持ちは胸の奥にしまうしかなくなった。それからはもう同じだ。俺はただあいつの友達でしかなかった。
今まで何度ふられたか。渋い奴だの派手な奴だの格好いい奴だのにいつも惚れる。そしていつも捨てられる。惚れっぽいうえに純情ですぐに騙される。その度にいつも相談に乗って慰めるのが俺だ。いつも俺はそんな仕事しかしねえ。あいつにとって俺はそうした存在でしかない。他の何だというんだ。
「御免ね、いつも相談に乗ってくれて」
「いいよ」
場所は喫茶店だったり海岸だったり。だがいつも話す内容は同じだ。そして最後に俺が言う言葉も同じだ。何も変わりはしねえ、本当に同じだ。
「また何かあったら話してくれよ。俺でよかったらな」
「うん」
そして涙を拭いてさよならだ。それから暫くしてまた新しい男に惚れる。時には俺が仲介したこともある。しかし結果はいつも同じだ。どうしていつも同じ結果になるのか不思議な位だ。そして俺がまた相談に乗る。何時までもそうしたことの繰り返しであった。そして今度もそうだろう。
ふとここで立ち止まった。後ろを振り返る。まだあの部屋は見えている筈だ。そして見えた。
「ケッ」
悪態をつかずにいられない。影が二つに重なった。何をするのかわからない筈もない。俺は足を早くしてその場を去った。そしてビルの陰に隠れた。これもいつもと同じだ。
「何をやってるんだ、俺は」
自分で自分が嫌になる。どうしてあの時言わなかったのか。一言で言えば俺が馬鹿だった。そしてその馬鹿さ加減が嫌になる。自分自身も嫌になるのだ。
自分のアパートに帰る。何の変わりもねえ只のボロアパートだ。来るのは野郎ばかりだ。女なんて来る筈もねえ。掃除もしねえちらかり放題の部屋に俺は入った。
部屋に帰っても気が晴れる筈もなかった。飲もうかと思ったが止めた。そ
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