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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第61話 圏内も危険はあります
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キが思うのは仕方ない事だろう。だが、アスナ達、本人が言うなら別に必要以上に疑いはしなかった。

「リュウキ君も、ガードしてくれてたんでしょ? 私達を」

 今度はレイナがそう聞いた。起きた時あの場にリュウキはいなかったけど、すぐに戻って来たのだ。
なら、少し離れていた……だけなのだろうとわかる。

「……まあそうだな。呼び出しがあって、少しあの場から外していたが」

 リュウキはそう答えた。
 彼女達が起きたタイミングにはいなかったから。

「街の中は安全な圏内だから……誰かに攻撃されたり、PKされたりする事は無いけれど……眠っている時は別だから」

 アスナは……少し深刻そうな表情で言っていた。そう、それはリュウキとキリトが先ほど話していた事だった。

「……デュエルを悪用した睡眠PK……だな」
「この世界も現実もさほど変わらない。いつの時代、何処の世界にも性質の悪い事を考える奴は出てくるものだ」

 リュウキもこの件に関しては、考えた奴にたいして、憎悪のようなものも浮かんでいるのだ。

「ほんとに……同じ境遇の人がする事と思えないよ。眠ってる相手にデュエルを申し込んで……、勝手にOKさせて、それで一方的になんて……」

 レイナも同じ気持ちだった。
 同じ境遇の人……というより、同じ人間がする所作じゃないと強く嫌悪感と怒りを覚えていたのだ。

「……この世界では、人を殺しても本当に死んだかどうか確認する事ができない。だから、遊び感覚でやる連中が増えるんだろうな」

 それは、決して認めたくは無い事だ。だが、以前のタイタンズハンドの件もあるのだ。あの女が言っていた台詞。

『ここで人を殺したって ホントにその人が死ぬ証拠なんてないし。そんなんで 現実に戻ったとき 罪になるわけないわよ』

 その言葉が頭の中で蘇る。従来のオンラインまでは、ただ悪を気取って遊ぶだけ。それだけだったんだ。だが、この世界はゲームではあっても遊びじゃない。

「そう……ね。だからその……2人とも、ありがと」

 アスナは改めて礼をいい、レイナも同じように言っていた。

「構わない。もともと、誘ったのはキリトだしな」

 リュウキはキリトを指差してそう言った。

「だから、お前も教唆しただろう……」

 キリトも負けじと言い返していた。

「あはは…… ほんとに2人とも仲がいいね?」
「うん。そうだね」

 アスナとレイナはそんな2人を笑いながら見ていたそんな時だった。



『きゃあああああああ!!!』



 夕日に照らされた街中で、悲鳴が聞こえてきたのだ。






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