話数その13 教えはない
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す。と、
「―――それから灰原晋殿、これを」
「……なんだこれ? 駒か?」
「“傭兵”、眷属では無い方のレーティング・ゲームへの参加に必要な物です。これを持っていてください」
「……はいよ」
もう少し敬意をはらった方がいい程に晋の答え方はひどかったが、それでもグレイフィアは表情一つ変えず、駒を晋へと手渡した。
「なお一度あちらへ移動しますと、終了するまで魔法陣での転移は不可能となります……では、皆さまのご奮闘をお祈りしております」
グレイフィアが言い終わると同時に魔法陣が輝きだし、晋達を包んだ。
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魔法陣からの光は目も開けて居られないほど強いものだったが、やがて収まる。そして、目の前に広がっていたのは―――
「あれ? 変わってませんよ部長、もしかして失敗したんですか?」
(……マジだ、ほんとに変わってねぇ…)
いつもと変わらぬオカルト研究部の部室であった。その光景に兵藤は疑問を口にし、晋は軽く首をひねるが、直後に窓から見えた景色に、若干の差異あれど二人とも驚愕する。
「そ、空の色が……!」
そう、空の色が普通の物と異なる“白”であった。他にも、何時もなら向こうのがある筈の住宅街の景色も途中で途切れており、此処が別空間である事を物語っている。
『皆さま。このたびグレモリー家、フェニックス家の“レーティング・ゲーム”の審査員を担うことになりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでごさいます。我が主、“サーゼクス・ルシファー”の名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
今回のバトルフィールドはリアスさまとライザーさまのご意見を参考にし、リアスさまが通う人間界の学び舎「駒王学園」のレプリカを異空間にご用意いたしました』
そして、グレイフィアからゲームの詳しい説明が始まるが、晋はそれをも聞き流す。しかし、『王を取られるか、投降したその時点でゲームは終了』という部分だけはしっかりと聞いていた。
(……なんかチェスみたいだな)
晋がぼーっとしていると、眼の前に光の玉のような物が差し出される。
「全員、この通信機を耳につけてください」
黒髪のポーニテールの女子生徒・姫島朱乃が、無線機らしいそれを配っていた。晋はそれを摘んで耳に押し込む。
(……無駄乳二号……っと)
―――余計で失礼なことも考えながら。
「戦場ではこれで味方同士やり取りするわ、いいわね」
グレモリーが皆に確認をとると同時に、グレイフィアから開戦の合図が上がる。
『開始のお時間と
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