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“死なない”では無く“死ねない”男
話数その13 教えはない
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 作業を終えた晋はため息を吐きながら、今晩はビーフジャーキーとカップラーメンにでもするか、と夜のコンビニへ出かけるのだった。








 時が経つのは速いもの……それが嫌な物が後日にあるのならば、なおさら早く感じられる。


「……くぁぁ……」


 晋は、今まさにそれを体感していた。―――ちなみに場所はオカルト研究部、時刻は深夜である。

 晋は蒼錆色のパーカー、アルジェントはシスター服を着ているが、それ以外の者達は以外は制服を着用している。
 皆が準備運動などしている中で、晋は欠伸をして呑気に“インスタントラーメン大集合”という、これまた分厚い本を読んでいた。それが気に食わなかったのか、兵藤が晋へと詰め寄る。


「おい! お前気合い入れろよな! このレーティング・ゲームに負けたら、部長がライザーみたいな奴と結婚させられちまうんだぞ!?」
「……俺にゃ元々関係ない話だろうが……第一、無駄乳が誰と結婚しようが、嬉しくも悲しくもないし、興味もねぇ…」
「おまっ……また無駄乳と!!」


 再びあの時のような言い合いになりそうだったが、傍に居たアルジェントがそれを止めた。


「イッセーさん落ち着いてください。理由はどうあれ、これから一緒に戦場に立つ仲間なんですから、いがみ合うのはよくないと思いますし……怒る理由が不純です」
「うっ……わかったよ、アーシア」


 そうやって、兵藤を諌めたアルジェントだったが、何故か晋の方へは行かない。言っても無駄な事を悟ったのか、それともただ単純に見た目が怖いだけかだろうか。


「皆、集まっているわね? ……灰原晋、もちゃんと居るわね」


 一番最後に入ってきたグレモリーは部屋を見渡し、晋を含めた全員が居る事を確認すると、兵藤を自身の元に呼び、それから膝枕をして何かをし始めた。


(……やっぱり、坦々麺にしといたほうが良かったか……)


 そんな状況とは全く関係ないインスタントラーメンの事を考え、本を読んでいた晋だが、聞こえてきた声で顔を上げる。


「開始十分前です、準備はお済みになられましたか? 」


 それは、何時の間にか部室へ来ていたグレイフィアだった。彼女は晋の方をちらと見た後、説明を開始する。


「開始時間になりましたら、ここの魔法陣から戦闘フィールドへ移送されます。場所は異空間に作られた戦闘用の―――」


 開始数秒で説明に飽きた晋は、虚空を眺めながら首を回す。途中で兵藤などからの質問があったが、別に聞かんでもよかろうと全てスルーした。 


「……時間です。では皆さま、魔法陣のほうへ」


 やがて説明は終わったらしく、グレイフィアがグレモリー達を魔法陣へと促
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