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生きるために
第三話 依頼終了……駄菓子菓子
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取られた。
その表情に悔しさがあるのならば訓練には十分になったと思おう。

「まぁ、こんなもんかなぁ」

『ええ───こんなものでしょう』

都合、十分。
スコールという少年からしたら当たり前に戦い、当たり前に勝ち取っただけの普通の仕事であった。







依頼も終え、お疲れムードで訓練室から出ていき休憩所の自動販売機のジュースでも買おうかと財布を探していた。

「あっれ? ハティ。財布はどこにしまったっけ?」

『毎度毎度思いますが、毎回収納場所を変えるのは止めにしませんか? このやり取りも三桁以上やってますよ? 確か今回は………上着の左ポケットにありますよ』

「おっと………そうみたいだ。さーて、えーと、と?」

ハティの助言を受けて財布を見つけて目当てのジュースはどこだっけと探そうとしていると横から手が伸び自分より先にお金を入れていた。
相手は

「ゲンヤさん」

「おう。飲み物くらいなら奢ってやる。お前、コーヒーか紅茶。どっち派だっけ?」

「じゃあ、気分で紅茶です」

あいよ、と返事をして紅茶のボタンを押してくれる。
ガタン、と缶が落ちてきて取り出し、プルタブを開くまでが一動作だ。
ふぅ、と中身を飲むと甘さがほんのちょびっとだけ疲れた体を癒してくれる。糖分は仕事の後に最高の癒し効果をくれる。

「で、部隊長さんはこんな所で油を売っていていいんですか? この場合、紅茶ですが」

「大してうまくねえ捻りだから無視するが、やることはやっておいたよ。あの新人達にもいい刺激に放ったみたいだしな」

「ほほぅ? どんな感じに?」

ああ、と呟き自分はコーヒーを買いながら

「今度あの少年を見かけたら躊躇いなく首にバインドかけて気道防いで落としてやる!! ってな。絞殺死体ってグロいんだよなぁ………」

「………その問題発言を受けて素晴らしい正義の管理局員の部隊長殿は何と?」

「ああ。バれるような工作と隠蔽はすんなって助言をしといた。血とかって綺麗に取れんからな」

「貴様ぁ!!」

これが司法関係の仕事に就いている男性の言葉だろうか。
余りにも温かい言葉に思わず涙とともに憎悪が漏れそうだ。
この気持ちを一体どんな言葉で表現するべきだろうか。

「ま、それとは別に全員いい顔するようになった。人間一度は盛大な敗北をしなきゃ完成に近づかないもんだからな」

「それは経験則で?」

「お前の経験則もそう告げてねえか?」

質問を黙殺するために手元にある紅茶を飲む。
本人も強く聞かずに自分のコーヒーを飲んでいる。
飲み終わり、さっきまでの話題は終了ということで立ち上がりごみを捨てながら告げる。

「じゃあ、今日の依頼はここまでというこ
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