暁 〜小説投稿サイト〜
生きるために
第三話 依頼終了……駄菓子菓子
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
上から巨大な十字架が落ちてきた。

「え、縁起悪いぞ!」

『オウ? アイムソーリー』

デバイスから非常にふざけた声が聞こえて思わずぶちかましてやろうかと思うが、その前に魔力刃を右手に持っているデバイスの先に作り、それをそのまま後ろに放つ。
根拠はある。
何故なら戦闘に重要なデバイスを前に落としておいて自分だけが来ないというわけがないし、何よりも足音が聞こえた。
振り向いて攻撃したいところがそんな余裕が皆無であると訓練による培った意識が先にデバイスによる突きを出させたのだが

「……なに!?」

手応えがない。
それどころか、むしろデバイスに何かが絡まるような感覚を得ている。
バインドではなく体術だと直感し、このままではデバイスが取られると思い、デバイスを待機モードに戻す。
手から質量がなくなり、頼もしさが無くなるが相手に盗られるよりかは遥かにマシな結果になり、そのまま

「シィッ!」

後ろ回し蹴りを後ろに放つ。
右手側から石突きよろしくで攻撃していたので、そのまま右回転での後ろ回し蹴り。
体格差から大体、相手の肺辺りの位置に直撃するコース。風を乱暴に切り裂く蹴撃。
先には強化付きの防御結界によるスパイク。
ぶち殺す気満々で攻めねば負けると思ってやった攻撃は、とん、と魔法を付与していない素の足をちょっと上に押されるだけで対処された。

は、反応が早すぎだろうが……!

回し蹴りをしておおよそ二秒。
蹴りの位置は大体、彼の右腕の半分くらいの距離の所である。
そこから蹴りを知覚したというわけではないし、足が地面から離れた時点で予測したのかもしれないが、最早計算と反射神経が合体しているのではないかという速さだ。
というか、そんな事を考えている余裕はない。
足を上に上げられたせいで体が倒れる方向に傾いている。
このままだと転んで無様な姿を見せてそのまま撃墜という未来しかない。転がって受け身をとって体勢を立て直すか?
いや、駄目だ。少年のデバイスがあってそんな隙間がないし、そんな暇を与える少年には見えない。
そんなことをしている間に後ろからズドンの結末しか見えない。つまり、敗北。
なら、間抜けにしか見えないがこのままの体勢で飛んで逃げるしかないと決断する。
デバイスを使っていないならあのレベルの圧縮は不可能と判断した結果だ。
なら、善は急げと飛行の術式を組み足元に魔方陣が浮かび上がったと思ったと同時に空へと意識を向けた時。
背後からやはり追撃が来て、それに対してマルチタスクで防御魔法を展開し

「……っ!?」

防御魔法を突破する威力の魔弾である事に気づき、終わったという自覚を得る前に何故という疑問が打ち勝ち、魔弾よりも少年の方に視線を向け───その手にハンドガンタイプのデバイス
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ