暁 〜小説投稿サイト〜
乱世の確率事象改変
改変者の胎動と鳳凰の鼓動
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。思考に潜っていると扉が開き、続々と頼れる将の四人が軍議室に入室してきた。
「で、では軍議をはじゅめましゅ、はわわ!」
 揃った所で声を上げたが、初めての軍議という事に緊張して噛んでしまった。恥ずかしい。



「――という訳で。今回の賊討伐は二面作戦をとります。後は将の組み合わせなのですが、何か意見等ありますか?」
「近いほうの賊を秋斗殿と星にいってもらうのはどうだろうか」
 まず愛紗さんが言う。確かに秋斗さんと星さんは仲もいいから戦場に行くまでに少しでも気が楽になるかもしれない。
「私としては近くのほうが助かるが、秋斗殿は何か希望は?」
「無い。というか軍を率いるのも賊討伐も初めてだから口出し出来んよ」
 そう、そこが一番の問題。私達二人と一緒で秋斗さんは未だに戦というモノを全く経験していない。
「ふむ、なら私は愛紗が秋斗殿と行くのがよいと思うが?」
「いえ、愛紗さんは桃香様といるべきでしゅ。万が一もないとは思いますが、何かあっては事ですし」
 星さんの提案に雛里ちゃんが反対意見を言う。愛紗さんは義勇軍の要だから出来るだけ桃香様と共にいて欲しい、ということ。
「じゃあ鈴々がお兄ちゃんと行く。用兵のお手本を見せてあげるのだ!」
 鈴々ちゃん……突撃、粉砕、勝利はお手本にならないと思う。
「それもいいが……星は公孫賛様の客将。遠出させるわけには。」
 あまり公孫賛様の直接の客将である星さんを長い期間縛り付けるわけにはいかないというのも難しい所。
 ここで纏めると二択になる。
 愛紗さんと秋斗さん、桃香様を組み合わせるか、それとも最初に愛紗さんが言ったようにするか。
「さ、最初の意見に戻りますが、桃香様、愛紗さん、鈴々ちゃんで遠方を、秋斗さん、星さんには近辺の賊にあたって貰いましょう。ただし、個人部隊以外は錬度の高い兵から順に秋斗さんの方に回すということでどうでしょうか?」
 兵の錬度まで計算にいれたならその方が最善かもしれない。さすがは雛里ちゃんだ。
 彼女の提案に全員が頷いてそれでいいと示した。
 軍師がどちらに向かうかは二人で既に決めているから問題ない。
「うん。いいんじゃないでしょうか。では軍師は桃香様のほうに私、秋斗さんのほうに雛里ちゃんで行きます」
「じゃあ決定だね。作戦はそれぞれの軍師と確認し合うように。終わり次第、兵と糧食を必要数整えて明朝出発。くれぐれも無茶しないようにね」
「御意」
 私達にとって初めての戦が幕を開ける。
 そこはどんなモノなのか、どのような空気なのか、想像すら出来ない。
 でもこれから進んで行くためには確実に経験しなければならないこと。
 私は恐怖が心を彩る中で色々と想像を膨らませながら、明日の出立の為の行動を開始した。

 †

 馬に乗り、隊の兵士達
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ