第二章 非平凡な非日常
番外5、出会いと別れ、儚きもの
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屋を飛び出した。
一歩一歩踏み出す度に足に痛みが走る。
息をする度に背中に叫びたくなるほどの激痛が走る。
それでも私は走ることをやめなかった。
「彩加っ」
ネームプレートを見つけてその部屋に入る。
音に振り返った大人達が、私を見て一斉に目を逸らしたのが分かった。
中には何か言おうとして、しかし口をつぐむ人もいる。
不安定な足取りで彩加に近づく。
彼女の顔には、白い布がかけられていた。
その光景が、両親の最後を見たあの日と重なる。
「うそ……でしょ? ねぇ、彩加、目を覚ましてよ……。起きてよ……ッまた笑ってよ……ッ私を……一人にしないでよ。彩加ッ。…………いやああああああああああああああああああああああッッッ!!!」
私のせいだ。
私を助けようとして、代わりに彩加が轢かれて死んでしまったんだ。
やっぱり私は、“死神”なんだ……。
私といると、みんなが不幸になっていく。
お父さんもお母さんもお兄ちゃんも彩加もッ!!
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
首につけられた赤いチョーカーは、血にまみれて光を失っていた。
ありがとう、そしてさよなら彩加。
あなたのことは一生忘れない。
だって、私を変えてくれた、たった一人のヒーローだから。
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