親友1 三上俊也 ーみかみしゅんやー
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僕こと、相沢翔(あいざわかける)には
おかしな親しい友人が複数いる。
今回は、その友人のひとり
三上俊也を紹介しよう。
「おい、翔。俺の昼食はまだか。」
腰に両手をあて、コンパスのように立つのは
誰でもない俊也だ。
「なんで僕が俊也のお昼を用意しなくちゃいけないのさ。」
僕は、きっと誰しもがするであろう反応を
俊也に返す。
「・・・なぜ・・・だと?」
俊也はうつむきがちに、眉間にしわを寄せた。
「せっかく俺様がお昼を用意させてやると言っているんだぞ!?」
「遠慮しときまーす。」
僕は、母の愛のこもったお弁当をついばみながら
俊也の顔も見ないで言った。
俊也の説明その1
めっちゃ俺様。
俊也は、自分がイケメンなのを分かっている。
そして俊也は、イケメンである自分が
この世の王であると勘違いをしている
とっても痛いヤツなのだ。
「ほら、いいから購買行ってきなよ。お昼休み終わるよ。」
僕は、教室の時計を指差した。
「あ、ホントだ。じゃ、俺行ってくるわ。」
「いってらー。」
俊也の説明その2
唐突に普通になる。
俊也は、なにか悪いものに取り憑かれたかのように
突然に俺様になり、憑いていたものが取れたかのように
唐突に正常に作動するのだ。
そこも、モテない理由のひとつである。
「痛いし、ついていけない」という女子の意見が多数寄せられている。
ちなみに俊也は、高校入学当初は同級生からも、先輩からも
かなりの人気を誇っていた。
なにせ、みんな中身を知らないから。
しかし、俊也の生態が明らかになっていくにつれ
俊也の株は下落。
コイツのモテライフは幕を閉じたのだった。
しかし、そんなことを気にすることのなかった俊也は
俺の知る限り、自分のキャラを貫き通す。
僕としては、もう少し静かにしてくれると大変嬉しい。
「翔・・・聞いてくれ。」
購買から戻ってきた俊也は、いまにもこぼれそうなほど
目に涙を溜めていた。
「・・・アップルデニッシュが・・・売り切れで・・・」
こらえきれなくなった涙を、名一杯俊也は拭う。
「・・・ごぼうサンドしか残ってなかったんだ・・・」
俊也は僕に、手に握っている
きんぴらゴボウの挟まったコッペパンを見せた。
俊也は嗚咽をまじえながら
僕にこう言った。
「明日、俺、早く購買行くわ・・・」
「ああ。是非そうしてくれ。」
その後俊也は、涙味のパンをほおばっていた。
明日は、平和な昼食時間になることを願いたい。
俊也の説明その3
かなり甘党。
俊也の甘い物好きは、もう病気に近い。
帰り道に、甘いものの広告を目撃すれば
食べるまでは絶対に広告の前を通りすぎない。
そして無理矢理帰ろうとすると、3才児の
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