話数その12 聞きゃしない
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それを何回か行った後、いきなり兵藤の方を向き、ドヤ顔で言い放つ。
「おまえじゃ、こんなことは一生できまい。下級悪魔くん」
「うるせぇっ! 思った事そのまんま言うんじゃねぇ!! ブーステッド・ギアァッ!!」
赤い光と共に兵藤の左手に真っ赤な籠手が装着される。彼は『Boost!!』という機械音が籠手から聞こえるのと同時に、怒りのままにライザーへと殴りかかる
「やれ、ミラ」
「はい」
ライザーは見下したような視線を向けた後、眷属の一人に命令を出し、それに答えながらミラと呼ばれた女子が飛び出していく。
(……喰らっちまうな、アレ)
晋の思考どうり、兵藤はミラの持つ棍の一撃で吹き飛び、壁に叩きつけられた。
「ブーステッド・ギア……確かにその神滅具は凶悪だが、使い手がお前みたいな雑魚じゃ話にならない。こういうのを確か『宝の持ち腐れ』って言うんだったか」
ライザーは嘲笑うような声色で言うが、気絶してしまっている兵藤は何の言葉も返せない。
「リアス、ゲームまでに10日の時間をやろう。それまでに少しでもそいつを使えるようにした方が面白そうだ」
「……ハンデをくれるって言うの?」
「ハンデ無しで勝てるとでも?」
「……わかったわ、私たちに時間を与えたこと後悔する――――」
「なんなら、そこの人間も加えていいんだぜ? ま、人数合わせにしか無らんだろうがな!」
「え?」
「……は?…」
唐突に発したライザーの言葉に、グレモリーと晋の眼が丸くなる。がしかし、その提案でグレモリーはある事を思いつく。
(待って……もしかしたらこのレーティング・ゲームに参加させる事で、灰原晋の目的は兎も角正体が掴めるんじゃないかしら……?)
「……あのなぁ……俺は人間なうえ他人―――」
「その言葉、後悔しないわね? ライザー」
「……おい、無駄乳―――」
「はっ! 後悔? 何の事だか分からないが……まぁ、人間がボロボロにされてもいいって事は分かったぜ、リアス」
「……おい、エセホス―――」
「それじゃ、十日後を楽しみにしてるぜ」
晋の意見など全く聞かず、ライザーとその眷属は去って行った。 呆然とする晋にグレモリーがにっこり微笑んでこう告げた。
「そう言う事だから」
「……如何いうこった……」
「言っておくけれど、コレは貴方にも利があるのよ? このレーティング・ゲームに出てくれたら、私達からのしつこい追及は、もう無しにしてあげるわ」
即座に断ろうとした晋だったが、グレモリーの提案に黙ってしまう。そして、校門で木場と話した時以上にたっぷりと時間をおいた後、疑い一色の表情でグレモリーに向けて、念を押すように呟いた。
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