第6章:女の決意・男の勘違い
第9話:人質としての身の振る舞い方講座
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役者マリーに、敵を蹴散らさせたいのじゃが、この女の魔力は桁違いで、洞窟自体を崩す恐れがあるという……
本当に厄介じゃ!
結局ワシ等が地道に敵を倒さねばならない。
だが今回ばかりはウルフが積極的に戦ってくれている。
やはり奴は強いのぉ……
剣術の腕前もさることながら、魔法のレパートリーが豊富なんじゃ。
状況に合わせ使い分けるから、アタッカーとしてもディフェンダーとしてもサポーターとしても大活躍。
臨機応変な反応をするので、安心して任せてられる。
シンの言葉ではないがリュカを置いていっても問題無さそうな気がするが……
あの男の妻はそれ程恐いのか?
「そう言えばリュカさんはどうしてるのでしょうね? 薄暗い牢屋に閉じ込められて、辛い思いをしてるのではないでしょうか?」
本気で心配してるのであればこの女はアホじゃ……
「んな訳ねーだろ! 最悪牢屋だとしても、綺麗なベッドに豪華な食事、更には美女達を喰い放題……まさに天国状態だろうな!」
かなりトゲのあるウルフの台詞。
考えなくとも判りきっている。
「でも……一応は人質ですし……もう少し質素な状態なのでは……?」
無駄と解りつつ反論するのはシン。
今回の事件で切っ掛けを与えてしまった男。
「ねぇよ! あのオッサンに惚れちまった女王が、頑張って演技し俺達をこの洞窟へ追いやったんだぞ! 今頃自ら股を開いて、奴の上で盛大に腰を振ってるさ! それが牢屋なのか女王の自室なのかは判らないけどね!」
「それって人質と言えるの?」
「アリーナは何も解ってないなぁ……人質の扱いは、連中の意思に委ねられてるんだ。乱暴に扱おうが、丁重に扱おうが、あの男に奪還させようと思える価値があり続ければ、人質として成立するんだ。そして困ったことに、我々にはあの男を奪還しなければならない理由がある……」
つまり奴は、我々と違い天国の様な環境に居ると言う事じゃな。
確かに人質が必ず迫害されるとは決まってない……迫害されることが往々にしてあるだけで、人質としての価値が変わらなければ如何なる状態にあっても問題はないのだ。
理不尽だな……
ワシ等が薄暗い洞窟で、強力なモンスター相手に四苦八苦しているというのに……
何とか一矢報いてやり問いと思うのは身勝手なのか?
ウルフはどう考えているのだろう……
「のうウルフ……お前さんはリュカに何らかの仕返しを考えているのではないのか? もしそうだとしたら手伝うぞ。ワシに出来ることがあれば言ってくれ」
偶には奴も痛い目に遭うべきじゃ!
「ブライさん……悪いことは言わないから、妙なことを考えるのは止めた方が良い。仕返しなんてしたって、逆撃を被るだけです。我々に出来ることは、本人を前にグチグチ何時までも文句を言い続ける
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