反董卓の章
第15話 「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
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?」
「ですが、この場の敵の兵力は、その場合の予想される敵の兵力よりかなり少ないんです。諸侯が五万、北と南の関に三万から五万がそれぞれいたとしたら、この場にいる兵は二十万を超えます」
「……なるほど」
朱里の説明に愛紗が頷く。
「となると董卓軍が抱える兵力が多いのかといえば、そうとも思えません。でなければ水関の華雄が三万しか率いていなかったことの説明がつきませんから。あの場にいたのは華雄の三万、霞さんの二万だと聞いています。なら……」
「残りは、北と南の偽兵がバレて、そこから余分な兵力を糾合したと考えるのが妥当ってわけさ」
俺がそう締めくくる。
俺の予想通りならばな……まあ、天下の諸葛孔明が同意してくれるならそれが正しいのだろう。
「細工するために数日の時間も空けたしな……敵に態勢を整える時間も与えてしまったってことだろ。予想外の状況ではあるけどな……」
さすがに水関より堅固な虎牢関を、防衛に使わないとは思わなかった。
まあ、俺が水関でやったことをここでもやられると思うなら、関を無意味と思い切る可能性も高い。
かなり肝の座った奴の思考ならば、だが。
……霞じゃないな、これは。
恐らくは呂布、あるいは賈駆ってことか?
「それだけにやっかいだ……敵は俺達が主力だとわかった上で、虎牢関という鎧を捨てて、背水の陣で兵の士気も上げての決戦を挑むつもりだ。兵が五分以上ならば、あとは兵の士気が大きな要因になる」
「向こうは天下の飛将軍が率いる上、背水の陣……ここでやらなければ後がないことを末端の兵にまで気づかせる。その効果は……」
「……死兵ってやつだな」
死兵……人と合えば人を斬り、馬と合えば即ち馬を斬る。
死に物狂いの兵というやつは、生半可な覚悟ではとても太刀打ち出来ない。
何しろ相手は相討ち覚悟でやってくる。
黄巾の三位一体も最初の一人は死兵だ。
だが、本当の死兵は三人が三人共死ぬ覚悟で突っ込んでくる。
そんなのを相手にすることの不合理さといったら……
「兵力も上、士気も上……そして相手は天下の飛将軍に神速張遼、か。なのにこちらは……」
「総大将があの袁紹ですから……」
「「 ああ…… 」」
愛紗と鈴々が落胆するように溜息を吐く。
「士気という面では確実に負けてますな。我々の軍とて死兵相手では……」
「ああ……かなりキツイ戦になるな」
馬正の言葉に厳しい顔で頷く。
ただでさえ攻城戦――いわゆる攻め側と思っていたのだ。
兵にとっては遭遇戦にも等しい。
だが、相手は待ち伏せての戦闘……準備していた側としていない側、どちらがより覚悟があるといえば――
「……どうしますか、主。我々の目的からすれば、無理
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