反董卓の章
第15話 「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
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「はい。民の信頼を集めるならば……民の窮状を救うのがもっともよいかと」
「そうね。なら……戦で荒れる洛陽の民はどうかしら?」
「……董卓の悪政で荒廃している、となっていますね。本当かどうかはわかりませんが」
「本当ならばよし。それが嘘でも洛陽で戦になれば都は荒れるわ。そこで手を差し伸べれば……」
「……洛陽の民は華琳様を褒め称えるだけでなく、商人などに流布させて喧伝もできる。さすがです、華琳様」
「そう、それこそが私の狙いよ。わかったかしら、春蘭?」
「え、ええ〜とぉ…………は、はぁ………………」
ふふ……やっぱり難しかったかしらね?
「姉者……要は戦うだけでなく、民を直接華琳様が救われれば、華琳様の名が高まる、ということだ」
「おお! 華琳様が直接お救いするとは、なんと光栄な! 洛陽の民も喜びましょう!」
「そういうことね……そろそろ虎牢関が見えてくる頃だもの。皆に戦闘準備を――」
「華琳様ーっ!」
私が指示しようとした矢先、桂花が馬を疾走らせてくる。
「大変です、華琳様!」
「なにかあって?」
「はい、虎牢関が…………ます」
「?」
桂花の言葉に、皆が意表を突かれた。
「虎牢関が、すでに開門されています!」
―― 盾二 side ――
それは、朱里の悲鳴のような報告から始まった。
「細作からの報告です! 敵は虎牢関を開け放ち、虎牢関の前面にて決戦の構え! 総数は……およそ十万以上!」
「じゅう……こちらより上だって?」
虎牢関前で待ち受ける董卓軍十万。
その数の多さに、俺は自分の見通しが甘かったことを痛感する。
水関で三万の敵を撃破した上、更に後方に十万もの兵力を温存できる敵。
北と南の関に三万……いや、五万ずつが防衛していることを考えると、董卓軍は実に二十万もの大軍を擁していたとなる。
いや、この上で洛陽に未だ守備兵が残っているとするならば……
「連合との兵力差は、とんでもない数になっていると……?」
こちらの兵力は実に八万弱。
十万を越える兵力を相手取るには、数の上でも大きな不利がある。
その上、こちらは混成軍……董卓軍は曲がりなりにも正規兵。
そして向こうは背水の陣とくれば……士気としても向こうが上。
「……まずいな」
地の利、人の和、共に敵が上。
天の時は……正直微妙とくれば。
あとは計略を以って覆すしか手はなくなる。
「ご、ご主人様……なんで敵は虎牢関から出ているの?」
桃香が困惑した顔で俺に尋ねてくる。
本来は防衛側として依って立つべき防衛施設。
しかも、有名な虎牢関ともなれば、ほとんど要塞に近い。
にも拘らず
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