反董卓の章
第15話 「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
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まあ、不安要素があるとすれば……まああるが」
「盾二さまぁ……」
雛里ちゃん……お願いだから、生きて帰ってきてね?
「馬正、例の場所は修復できているな?」
「はい、最優先に処理するように指示して出てきました。おそらく、今頃は滞り無く開通しているはずです」
「そうか。なら、きっとやってくれるさ……そう信じよう」
「は」
まさか、あの場所がこんなことで必要になるなんて思いもしませんでした。
そのせいで陽平関の着工が遅れているはずですが……
「それにしても早かった。後一年あればな……もっと色々仕込むことも出来たのに。戻ったら、すぐにも対処しないとな」
盾二様はブツブツと呟いています。
端々が聞こえたのですが……どうやら、そのお心ではすでに虎牢関を突破している算段のご様子。
あれほど呂布を恐れておられるのに……
私が盾二様を見つめていると、その視線に気づかれたのか、私を見て微笑んできました。
「心配するな……戦術面では、それほど問題にしていない。いざとなればサイコバーストでも何でも使うからな。だが……戦略面は一手も二手も先んじて打つ必要がある。そのことを考えていたんだ」
「盾二様……」
「……思った以上に世の中は早く動くぞ、朱里。帰ったらまた地獄が待っているだろう……無理をさせると思うが、付いてきてくれるか?」
盾二様……そんなの、そんなの決まっています!
「はい!」
私はこの人に従いてゆく。
そう、決めたのだから。
―― 周喩 side ――
「たっのしみよね〜! 呂布っていったけ? どんな相手なんだろ〜?」
……ほんとにこの馬鹿王は。
「雪蓮……? まさか貴女、呂布と真正面から呼び出して一騎討ちするつもりじゃないでしょうね?」
「え? そりゃもちろんするわよ?」
「貴女ね……そんなのは匹夫の勇よ。呂布は袁術軍にでも押し付けるわ」
「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
思った通り。
この戦闘狂の一族はどうしてこう……
「……私が許すと思って?」
「うっ。そ、そりゃ思ってないけど……でも、たまには暴れたいよぉ」
「だーめ。相手はあの飛将軍……万が一のことがあったらどうするのよ」
「でもでもぉ……ちょっとだけ。ダメ?」
「ダメに決まっている……ですな、祭殿」
私は雪蓮の横で、腕を組んで馬に乗る宿将へと声をかける。
呉の宿将、黄蓋公覆。
その人は、ゆっくり目を開けて口を開いた。
「それについては、儂も公瑾の意見には賛成じゃな」
「むう……祭まで」
「玉は玉らしく、じゃよ。安心せい、呂布は儂が討ってみせようぞ」
「あー! 一人だけ呂布と戦う
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