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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第15話 「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
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に勝利せずとも」
「む……」
「ご主人様……」

 馬正の言い分は判る。
 俺達は董卓を『助ける』事が目的だ。

 それは董卓が『追い詰められている』からこそのこと。
 自力で連合に勝てるのならば、無理に敵対することはない。

 だが――状況がそれを許してくれそうにない。

「……だが、俺達の後ろには袁紹、そして劉表がいる。ここで俺たちが下がればどうなると思う?」
「袁紹はともかく……劉表殿は」
「……そういうことだ。どちらをとるか、となれば、ここで勝つしかないんだよ」

 劉表には董卓の救出のことは明かしていない。
 仮にもあの爺さんは漢の忠臣だ。

 その爺さん相手に『大罪人となっている董卓を救うために参加しています』とは言えない。

 仮に事情を明かすとしても、事ここに至っては時間も機会もない。
 なにより……俺達の後ろには袁紹がいる。
 前門の董卓軍、後門の袁紹……
 この状況では引くも進むも、どちらかを突き破らねばならない。

「やるしかないな……ここで勝たなきゃ、先行した雛里たちにも問題が出る。雛里のことだから、たとえ俺達が負けても何とかするだろうが……」
「……ですね。どの道、今は我々のほうが窮地かと」
「だが、考えている余裕もない。そろそろ相手が動き出してもおかしくない。朱里、細作を全員前線の情報収集に回せ。先陣の状況によっては、すぐにも雪蓮の救援に行く」
「はい! しゅぐに……すぐに!」

 こんな時でもカミカミの朱里にふっと笑う。

「馬正! 第三軍を二つに分ける。槍隊は俺が、弓隊は馬正が率いてくれ」
「御意!」
「愛紗! 右翼を頼む。同じ中曲の曹操は、こと総力戦なれば機を見て敏に動くはずだ。できるだけ合わせて削っていけ」
「御意!」
「鈴々は左翼、崖側からの横槍をしつつ、突貫して派手に動き回れ! 敵の連携をかき回して戦力を分断させるんだ」
「わかったのだ!」
「桃香は第三軍の弓隊と直属護衛を率いて、朱里と共に本陣を頼む」
「うん……ご主人様、気をつけてね」
「ああ……俺は中央から雪蓮の救援だ。攻めの指揮は苦手だが……そんなことも言ってられないしな。皆、頼むぞ!」
「「「「 はっ! 」」」」

 こうして――

 後に『虎牢関の悲劇』と言われる戦いが始まった。

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