反董卓の章
第15話 「えー!? やだやだ! 呂布と戦いたい!」
[1/11]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―― 馬岱 side 虎牢関周辺 ――
「ほんとーにこっちでいいんだよね!? こんなところで迷子になるの、たんぽぽいやだからね!?」
「黙っていろ! えーと……あそこが確か」
「あの……どうぞ、これ地図です」
「お、すまぬ……おお、やはりそうだ。あそこの谷間の崖に沿って行けば、虎牢関の裏手奥に出る。まちがいない」
「あの崖を、か……我らはともかく、な」
「だ、大丈夫……です。たぶん……あう」
「なに、私の部下には小娘一人背負って崖を渡るなど造作も無い。出来るな、お前ら!」
「「「 おう! 」」」
「こ、怖いです……あうあう」
「……いや、私が背負いますから。たんぽぽは、馬を頼むぞ」
「えー!? たんぽぽ達、馬置いていけないよ!?」
「なれば引きずってでも崖の細道を通らせろ! ただし馬を落下させるなよ。虎牢関にバレるぞ」
「もー! あんたが仕切るなぁ!」
―― 孔明 side 水関周辺 ――
雛里ちゃん……大丈夫かな。
「……というわけ。だから愛紗も鈴々もいいね」
「はぁ……しかし」
「うにゃ〜……どうしてもか? どうしてもダメなのかぁ?」
「どうしても、絶対にダメ! これは本当に守ってくれ。じゃないと……破門にするぞ」
「にゃ!? そこまでなのか……うう、我慢するのだぁ」
陣の再編成を行い、中曲へと移動した私達。
日が天頂に掛かるかという刻限に、ようやく連合軍は虎牢関に向けて出立した。
私の眼前で移動しながら話しているのは、愛紗ちゃんと鈴々ちゃん。
その二人に対して、私の隣にいる盾二様は馬に乗りながら併走し、さっきからずっと説明している。
「しかし、主よ……それほどまでなのですかな? いくら天下の飛将軍とはいえ、雲長殿や翼徳殿、それに主までが三人がかりで懸からねば勝てぬほどに……」
「ああ……正直言って、それでも勝てるかどうか」
「……なんと」
盾二様の反対側にいる馬正さんが、絶句したように呟いています。
私も同感です。
水関での最終的な死傷者・負傷者は約七千人。
ですが、馬正さんの補給部隊三千のうち、二千人を組み込めました。
警邏隊とはいえ、梁州の兵です。
第三軍に編入させ、兵力は二万まで回復しました。
残り一千は動けない負傷者の手当や梁州への護送につけています。
それでも、盾二様は懸念があるご様子で……
盾二様のあの無敵の服があれば、如何に飛将軍とはいえ、そうやすやすと負けるとは思えないのですが……
「何度も言うようだが、くれぐれも呂布とは一人で戦うなよ。遠巻きにして矢を浴びせかけたり、敵の兵を巻き込んで動きを封じるんだ。まさか味方をも巻き
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ