さぁ、立ち上がれ
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零は自分が凍らせたいまいましい護衛どもを解凍する宏助を見ながら内心舌打ちをする。
零は鎌を支えに、ゆっくりと立ち上がった。
「・・・・来たッ!」
「・・・・・・」
宏助が気配を察知すると共に、鎌を構える零が見える。
しかし。
(こりゃあ随分本気だな・・・)
まず構えに隙がなく、一分も気を抜いている感じがしない。先程とは大違いだ。
更に、零からは冷気のようなものがオーラのように出ている。
なにより顔だ。笑っている。しかし、目は笑っていない。一番怖いパターンだ。
しかも・・・・・
「宏助さんっ!あの人、魂が削れてませんよ!?」
「・・・なッ!」
明の報告は先程宏助が聖気を纏って殴った零の腹のことを言っているのだろう。通常なら腹の部分の魂が削れ、麻痺しているが・・
「残念ながら、俺の氷は、魂すら凍てつかせることが出来る。そして、その氷をまた、体内に取り込むことも出来る。
幹部クラスでも出来ない『魂への直接攻撃』を俺は出来る。死神の超越的な能力は理解出来たか・・?」
零がご丁寧に説明してくれる。なるほど、なかなか理不尽な能力だ。
「うおおおおおおぉおおおっ!」
「・・・・!宏助さんッ!?」
しかし、宏助は迷わず突撃してゆく。明の驚きの表情と、零のバカにした表情が宏助の視界に写る。
「馬鹿かっ!人の話をよく聞けぇえええええッ!」
宏助の真っ正直な攻撃と、何のフェイントもない拳を、零は逆に鎌で冷気を出しつつ防ぐ。更に・・・
「氷の剣(アイス・サーベル)ッ!」
「んぐぁつ!」
その冷気で作られた氷の剣によって宏助は再び刺される。しかも零は狡猾に、先程刺されたところと全く同じ場所を狙ってきた。
「・・宏助さんっつ!」
「まったく・・・。だから言ったろう。死神に人間風情が・・・・」
「・・・・だからどうしたッ!」
バキィッツ!
「・・・・・・ッ!?」
宏助は刺された状態のまま思い切り氷の剣を殴りつける。氷の剣はあっさり砕け散った。
「死神の理不尽な能力なんざぁで、俺がここを退けるかぁああああツ!『流々乱舞』・・・・うおおおおおおおおおおおッ!」
「なに・・・ッ!」
零が鎌でガードを始める前に宏助は連続攻撃を開始する。流々乱舞、それは、麗直伝の好き勝手技を繰り出して、相手を倒す、自由気ままな技だ。だからこそ、使い勝手が良い。
「拳、脚、掌、刀、上下左右四連殴打、殴、殴、欧、三連殴打ッ!拳、拳、拳、三連拳ッ!上下左右四連脚!掌波!刀、刀、刀、三連刀!真空遠隔攻撃五連!大強連打撃ッ!」
「・・・・・・・・・・そんなものかぁッ!」
「・・・・・マジかよッ!?」
なんと零が、流々乱舞を全部受けきったはずなのに、全く効いてなさそうだ。聖気まで纏ったはずなのに。
「・・・ふうううッ!危ないですね。氷の鎧(アイス
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