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乱世の確率事象改変
白馬長史の友達
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ばかりに徐晃をけなす星。にやりと笑ったその顔からは徐晃との仲の良さが見受けられた。
「ほう。そうなのか。最近心にゆとりがなかったんだ。ぜひお前たちの楽しい話を聞かせてくれ。私も久しく大声で笑いたい」
 気付けばそんな事を口走っていた。
 軽く冗談を言い合えるこいつらが羨ましかったから。思いつきだ。それを聞いてにやりと星が笑う。
「では秋斗殿、彼女もあそこに案内してもてなしては?」
「まあこれからも役に立ちそうだし俺は構わないが……」
 星の言葉に砕けた調子で話す徐晃は少し不安そうだったが了承の意を伝える。
 これが普段の徐晃か。なるほど、さっきのとは全然違うな。
「あそことは?」
「行けばわかりますよ」
 そう言われ、促されるままに息抜きがてら、牡丹にしばらく出ると伝えてからその場所に向かった。



「なん……だと……?」
 着いたところは超高級料理飯店『娘娘』。味は大陸でも片手で数える程美味いと言われており、しかしその値段は、腹を満たそうとするならば懐の温かい豪族でさえ滅多に来れないほど。こんなところで食事をしたら小遣いが消し飛ぶ。
「おい、本当にここか?」
「間違いなくここですな」
 バカな。私でも付き合いで数回しか入ったことがないぞ。
「大丈夫ですよ。秋斗殿に任せておけば」
 そう言って二人は店に入っていき、徐晃は何やら店員と話していた。
 すると奥から店主が現れる。
 ふと疑問に思ったのはその瞳が前に見たモノとは輝きが違った事。昏い色を湛えていたはずのその瞳は少年のように透き通っており、まさか別人かと思ってしまった。
「ようこそいらっしゃいました。太守様」
「久しぶりだな。その……」
「本日は徐晃様をお連れですのでお代は頂きません」
「はぁ!?」
 挨拶をしてから持ち合わせが少ない事を伝えようとすると、あまりに異常な情報を放たれ、驚愕の言葉が口を突いて出た。
 おかしいだろ! 絶対何か裏がある。
「おい……不正は……」
「そこまでです公孫賛様。とりあえず奥の個室へ行きましょう」
 言い切る前に徐晃に促され、店主はさっさと奥に戻ってしまった。
 奥の個室は店主のお気に入りしか入れないはず……何なんだ一体。



「つまり徐晃は店主に気に入られたわけか」
「はい、さすがに悪いと言ったのですが、そのくらいさせてくれと頼みこまれまして……」
「店長が言っておりましたが売り上げもうなぎ上りになるのが予想されるだろうとのこと。気にせずこの最上の料理達を堪能致しましょうぞ」
 聞くところによると、星とメンマの話で熱くなった時に作った料理をたまたまそこにいたこの店の店主が気に入り、作り方を教えてくれと頼みこみ、
 ついでにいろんな珍しい料理も教えると、店主は感動してこの店に来た時にはタ
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