斑鳩
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浮かべ、斑鳩は呟く。
「今すぐ私をここから出せ!お前達の勝てる相手じゃない!」
必死にカードを叩き、頬を潰しながら叫ぶエルザ。
「安心して・・・そのカードはプロテクトしてある。絶対に外からキズつける事は出来ないんだ」
「へえ・・・」
ショウの言葉を聞いた斑鳩は、どこか楽しそうに一旦鞘におさめた刀を抜こうと手をかける。
「ショウ!私を出せ!奴の剣、ただ者じゃない!」
「大丈夫・・・信じて」
ショウがそう言った瞬間――――――空を斬る『シュバァ』という音と共に、斑鳩の刀が抜かれた。
ビシ、と。
その剣閃はカードの中に閉じ込められたエルザを襲う。
「ホラ・・・」
が、このカードはプロテクトしてある為、エルザに攻撃は当たらない。
それを知っているショウはゆっくりと地に落ちかけているカードを見つめ――――目を見開いた。
「!」
キィン、と。
カードの中のエルザは剣を握りしめ、斑鳩の剣閃を何とか防いだ。
「カードの中を・・・空間を超えて斬ったァ!?」
「マジかよっ!超面白れぇーーーーーーーーっ!」
ショウが驚愕し、アルカが『超』がいくつ付いても足りないくらいに大興奮し、嬉しそうにはしゃぐ。
その間にも、斑鳩は笑みを浮かべたまま刀を振り続ける。
「くっ!」
その度に金属と金属がぶつかる音を立てる。
「姉さん!」
「エルザ!」
ショウとアルカが叫び、金属同士が激突する音が響いた瞬間―――――
「え!?」
一閃。
強く空を斬る音と共に、エルザが姿を現した。
それを見た斑鳩は笑みを浮かべる。
「貴様のおかげで空間に歪みが出来た。そこを切り開かせてもらった」
緋色の髪を揺らし、ただ一言告げる。
(空間を超える剣も凄いけど・・・あの一瞬でそれを利用した姉さんはやっぱさすがだ・・・見事すぎて言葉が見つからない・・・)
目に涙を浮かべ、ショウが小刻みに震える。
と、そんなショウに手が差し伸べられた。
「大丈夫か?ほら」
「あ・・・ありがとう・・・」
アルカはショウを壁側まで引っ張り、壁を背凭れに座らせる。
そして自分はその横に座り、エルザと斑鳩を見つめた。
「貴様に用はない。消えろ」
エルザの言葉に、斑鳩は「クス」と小さい笑い声を漏らす。
「!」
ピキ、と。
エルザの鎧の左肩辺りにヒビが入る。
それを皮切りに、胸辺り、腰辺り、右肩・・・と、鎧の様々な部分に次々にヒビが入っていく。
「くぁ!」
エルザが小さく叫び声をあげた瞬間―――着ていた鎧がバキバキと音を立て、壊れた。
持っていた剣も一緒に。
「あいさつ代わりどす。あれ?もしかして見えてませんでした?」
そう言っ
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