理想を求める者
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も見送ってきたのだろう、史実通りなら普通の娘としての道もあったはずだ、だがその理想は――
「私は愛紗ちゃんや鈴々ちゃんみたいに強くない。諸葛亮ちゃんや鳳統ちゃんみたいに頭もよくないんだ。でもね、一人じゃできないことも皆ですればできると思う。だからね、こんな私に、私の理想の実現のために、どうか力を貸してください!」
――いばらの道だ。理想には絶対に届かない。しかしそれでも追いかけ続けるのなら付いていく価値はあるだろう。
「私の真名は朱里といいます。あなたの理想を叶える為についていかせてください」
「真名は雛里といいます。私もあなたの末席に加えてください」
関羽が軍に加ることを決めた二人にやさしく微笑んだ後、こちらをキリとした表情で見てから口を開く。
「徐晃殿。よろしければあなたも共にきて頂けませんか? あなたにはかなりの武の才が見受けられる。武で桃香様を支えるには、私と義妹だけではいささか心許ないのです」
軍神関羽からそんなに褒められるとは思わなかった。嬉しいじゃないか。
殺しをする覚悟など未だに出来ていないが、どうせどこかで行わなければいけないんだ。それならば早いうちがいいだろうし、もしかしたらここで――
ただ、決めてもいいが示してほしいことと、引いておく線がある。
「劉備殿」
関羽に一つ頷き劉備に向かい合い声をかける。
「は、はい。」
「その理想、何があろうと迷わず追いかけ続けられますか?」
迷ったなら、一度でも躓くならその理想は叶わない。いや、その程度で叶える事など出来るわけが無い。
「実現してみせます。必ず」
断言したな。いいだろう。迷うなよ? 俺は世界を変えるんだ。ならこの救えない、しかし尊い理想に賭けるのも手だ。
「俺は真名を秋斗といいます。その理想を貫き通す限り、俺はあなたの剣になりましょう」
「ありがとうございます。私の真名は桃香です。三人とも、これからよろしくお願いします」
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